野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
ベイスターズの2016年は最高だった。
始まりは「またか」、最後は涙。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2017/01/01 11:30
CSで巨人を下した直後のラミレス監督とベイスターズナイン。ファンが勝利を信じられるようになったのも、彼らの真剣さがあればこそだ。
ラミレスが三浦大輔引退式直前に言ったこと。
妄想する。2017年終盤戦の大一番での試合。好投の山口が終盤にピンチを迎えると、マウンドに巨人ナインが集合する。捕手相川、サード村田が山口に声を掛け、ベンチからは渋い表情の尾花コーチが現れる……あれは、アナライジング・ベースボール。読売の中に、我らが見たTBSベイスターズのもうひとつの未来が紡がれる。どうしよう。好きになってしまいそうだ。
なんて感傷に浸るのはもうやめよう。ベイスターズはようやく新しい時代へと進んだのだ。ラミレス監督は最終戦の挨拶で言った。直後の三浦大輔の引退式が強烈すぎて、あまり話題になることもなかったが、彼は確かに言っていたのだ。
「We no longer B class team,we are A class team」
ベイスターズはこれ以上Bクラスに落ちることのないAクラスであることをお伝えします。
契約更改が行われる中、選手たちは口々に「優勝したい」という言葉を口にする。それは去年までとはまるで違った意味として聞こえてくる。
1998年の優勝から19年。それは呪いとも言われる38年周期の丁度半分。去年、よく当たるという占い師に見て貰ったところ、ラミレス監督の今年の運勢は去年の緒方監督と同じ「勝負運」の年だとか。予定調和の、見せかけではない本物の“優勝”を狙ったシーズンがはじまるのである。
ただし、ラミレス監督が本当に42歳なのかという疑惑は見ないものとする。