猛牛のささやきBACK NUMBER
「神ってる」被弾で慢心が消えた。
オリ守護神・平野佳寿の復活劇。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/12/29 07:00
開幕当初はセットアッパーだった平野は、最終的に4年連続2けたセーブをマーク。通算セーブ数を127にまで伸ばした。
もっとも優勝から遠ざかっているチームの汚名返上を。
ただ、満足感は微塵もない。一昨年、優勝がかかる試合で1点を守りきるという、ビリビリとしびれるような日々を味わってしまったからだ。体も神経もすり減る毎日、だがやりがいと高揚感に満ちていた。
「'14年より今年('16年)の方が自分の成績はまあちょっとは上がったかもしれないけど、やっぱり優勝争いしている時の方がモチベーションは高かった。だから、来年はそういうシーズンにしないといけない」
24年間優勝から遠ざかっていた広島が今年優勝したことで、「もっとも優勝から遠ざかっているチーム」という不名誉な肩書きを、今度は、20年間優勝していないオリックスが背負うことになった。
今年、踏み台にされた屈辱を糧に、来年は主役となるべく、まずは投手陣がチーム浮上の土台を築いていく。