フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦の4回転&4連覇で新時代に。
宇野3位、宮原2位で日本勢の快挙続く。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/12/12 17:30
大会後には、まだ誰も跳んだことがない4回転アクセルへの挑戦も口にした羽生。絶対王者の挑戦に、終わりはないのか……。
踏みとどまった羽生結弦。
ハビエル・フェルナンデスはエルビス・プレスリーのメドレーのフリーで、冒頭のトウループが3回転になり、3アクセルで転倒などジャンプミスが重なった。
カナダのペア選手、エリック・ラドフォード作曲の音楽で滑ったパトリック・チャンは試合で初めて4サルコウを成功させるも、4トウループ、3アクセルなど3回転倒。
そんな中で、羽生結弦は2度目の4サルコウで転倒などいくつかミスが出たものの、大きく崩れることなくフリー187.37、総合293.90でトップに踏みとどまり、4年連続のタイトルを手にした。
ADVERTISEMENT
「そこそこ頑張れたSPに比べて、最後に失敗したというのは非常に印象が悪い。全日本に向けて、あまり時間ないですけれど、しっかりやっていきたいと思います」と、すでに視線は次に向かっている。
五輪チャンピオンでありながら、4ループなど常に新しいことに挑戦し続ける羽生が、世代を繋げる立ち位置にいることを実感させる、象徴的な男子だった。
宮原知子は2年連続2位入賞。
女子は特にフリーでは好演技が続出する、充実した戦いとなった。
SPで4位だったアンナ・ポゴリラヤ、SP2位だったケイトリン・オズモンドらが質の高いフリーを見せて次々と自己ベストを更新させていく中で、SP3位だった宮原知子が登場。
白いドレスに身を包み、『惑星』などの音楽をアレンジしたフリーの曲を、伸び伸びとノーミスで滑り切った。
1つ1つの技の切れ味が良く、ロシア勢のダイナミックさに勝るとも劣らない、トップ選手の風格を感じさせる演技だった。
3フリップは回転不足になったものの、3ルッツ+3トウループなど6度の3回転に成功。「今日はもう、思いきりいこうと思って滑りました」と本人が語ったように、最後までスピードが落ちることなく、フリー143.69、総合218.33で自己ベストスコア更新。1つ順位を上げて、昨年に続いて銀メダルを手にした。