フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦の4回転&4連覇で新時代に。
宇野3位、宮原2位で日本勢の快挙続く。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/12/12 17:30
大会後には、まだ誰も跳んだことがない4回転アクセルへの挑戦も口にした羽生。絶対王者の挑戦に、終わりはないのか……。
新世代が上がってきたフリー。
こうしてSPで安定した強さを見せたベテラン勢だったが、フリーでは違った展開が待っていた。
フリーで上に上がってきたのは、昨年のジュニアGPチャンピオンであるネイサン・チェン、そして2年前のジュニアGPチャンピオンだった宇野昌磨の2人の若手である。
チェンは4ルッツ、4フリップを跳ぶ今注目の選手。宇野も史上初の4フリップを成功させた新世代のホープである。
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SP5位だった17歳のチェンは、フリーでは4度の4回転を含むプログラムをノーミスで滑り切り、197.55、総合282.85とフリー、総合ともに自己ベストスコアを大きく更新させて総合2位に。フリーは6人中トップだった。
「GPファイナルでメダルがもらえたのは、ものすごく光栄なこと。まったく予想していなかった。SPでは緊張したけれど、フリーで挽回できて嬉しい」
2年連続銅メダルを手にした宇野。
宇野昌磨はSPでは4トウループで転倒し、4位スタート。時差調整がうまくいかずに体が動かなかったと告白したが、それも自己責任であることを強調。
「気がついたら終わっていました」と苦笑した。
だが2日後のフリーのタンゴでは、力強い演技を見せた。
冒頭の4フリップを含む3度の4回転と6度の3回転を降りて、フリーは195.69で全体の2位。自己ベストスコアも更新した。総合282.51で2年連続となるGPファイナル銅メダルを手にしたが、演技的には本人はあまり満足ではなかったという。
「すごく良いという感じではなかった。やりきったというより、なんとか終わったという感じ。ほっとした試合は多々ありましたけれど、今回が一番ほっとしました」と苦笑。それでも練習で苦戦していた4フリップを本番で成功させたことに関しては、「試合で跳びたいという気持ちがしっかり現れたのかなと思います」と笑顔を見せた。