話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
堂安律「なんで出れへんのやろ」
ガンバが英才教育を施す天才の苦悩。
posted2016/11/23 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
ガンバ大阪U-23は、J3今季最終戦でYS横浜に0-2の完封負け。10勝8分12敗の9位でシーズンを終えた。
試合後、最終戦の内容のように浮かない表情を見せたのが堂安律だった。前節の秋田戦で10得点とゴール数を二桁に乗せ、来月24日の天皇杯に向けてアピールしたいところだったのだが……。
「いやーもう腹が痛くて。前半はボールが入ってきたんで我慢してやれたけど、後半は痛いし、動けへんし、サッパリでした。なんか変なもん食べたかなぁ……分からへんけど、こんなことしてたらダメですよね」
サバサバした表情ながら反省が口をつく。
「21試合で10点はまずまずやと思うんです」
相手はJ3の最下位のチーム、ガンバは17歳から23歳の若いチームとはいえ、堂安を始めトップチームの経験のある初瀬亮やU-19代表でアジアを制したメンバーの市丸瑞希ら能力が高い選手がおり、もっと相手を圧倒してもいいはずだ。しかし、ボールこそ保持しても相手に合わせてプレーしてしまい、ガンバらしい攻め倒す迫力がなかった。
堂安は腹痛の影響があったせいか、右サイドからトップに移動し、守備は控えめで運動量も少なめ。メインスタンドで見ていた山口智(ガンバ大阪U-23強化担当)も渋い表情だった。
結局、フル出場したがゴールを奪えず、全30試合中21試合出場10ゴールでシーズンを終えた。ガンバの次期エースと称される逸材は、この数字をどうとらえているのだろう。
「J3の試合に出れたのはいい経験になっているし、21試合で10点はまずまずやと思うんです。でも、J1の試合にほとんど出れてない。今年はJ1にどんだけ絡めるかというのがテーマやったし、J1に出ることで成長できると思っていたんですよ。そういう意味では今年の成長はぜんぜんっすね。J1にいれたらもっと成長できたと思います」