プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モウリーニョはまだスペシャルか。
マンU監督はモイーズが比較の基準。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2016/11/05 17:00
じりじりと順位を下げ、EL圏内からも引き離されつつあるマンU。今季の上位は順当な顔ぶれなだけに、失速は期待しづらいが……。
彼に限って、パニックになどならないはずだ。
しかし、古巣を相手に屈辱を味わった直後にも、モウリーニョは「単なる敗戦にすぎない。4失点したからといって3ポイント以上を失うわけでもない」と、モウリーニョらしい発言をしていた。その翌週の試合で後半にスタンド観戦を強いられた主審への抗議にしても、またしても勝てなかったチームからメディアの視線と非難をそらすべく、自らが注意を引きつけるモウリーニョ流の常套手段と考えられる。
モウリーニョは、チェルシーでの一昨季にも、前半戦の内にPK絡みの判定に対する不満を口にしてFA(協会)から懲罰を受けたことがある。今回のケースは最低1試合のベンチ入り禁止を言い渡されることになるが、当時は「審判員の間で反チェルシー・キャンペーンが行われている」とした発言に対し、1試合のスタジアム立ち入り禁止処分(1年間の執行猶予付き)が下された。だが、その2014-15シーズンをモウリーニョはプレミア優勝監督として終えている。
そして今季も、モウリーニョに限ってはパニックになど陥ってはいない。たとえ「モイーズ以下」と騒がれてはいても。