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モーリスが弾けてもヒカリには……。
天皇賞・秋の1枠1番は最高の位置。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2016/10/29 08:00

モーリスが弾けてもヒカリには……。天皇賞・秋の1枠1番は最高の位置。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

イスバーン賞の勝利で、エイシンヒカリは国内以上に海外での評価が高い。追う側も早めの仕掛けになりそうだ。

休み明けは得意だが、負ける時はアッサリ負ける。

 エイシンヒカリは4カ月半ぶりの実戦だが、世界の強豪を10馬身突き放した仏GIイスパーン賞も5カ月強の休み明けだった。気持ちで走るタイプなので、むしろ間隔をあけてレースに臨むほうがいい。昨年は、毎日王冠から輸送を含む中2週だったので入れ込んでしまい、9着に沈んだ。しかし、初めて東京芝2000mを走った2年前のアイルランドトロフィーでは、直線で内埒沿いから外埒沿いまで逸走しながら、2週後の天皇賞・秋より速い時計で勝つなど、舞台設定に問題はない。

 ただ、勝つときのパフォーマンスは素晴らしいが、負けるときは実にアッサリしている。これまで13戦10勝。負けた3戦は9、9、6着という大敗だ。圧勝か惨敗かという馬なので、取捨に迷ってしまう。

 引いたのは1枠1番。今回は隣のクラレントと5番のロゴタイプを引き連れて逃げる形にすんなり持ち込めそうなだけに、最高の枠と言える。武豊が'07年にメイショウサムソンでここを勝ったときも1枠1番だった。

 これが国内ラストラン。次走、連覇がかかる香港カップで引退し、種牡馬になる。世界のスピードスターが、日本馬初の3カ国GI制覇という偉業をなし遂げるか、注目したい。

リアルスティールの本領発揮は次走以降?

 もう1頭の海外GI馬リアルスティール(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)は、実力的には間違いなくここでもトップクラスだし、距離、コースともに合っている。しかし、3月にドバイターフを勝ってから、帰国初戦の安田記念で11着に大敗して以来の実戦というのが気になる。夏負けの影響で無理に毎日王冠を使わなかったことがプラスに出ているようだが、それでも、本当によくなるのは次走以降ではないか。

 昨年の覇者ラブリーデイ(牡6歳、父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)と、安田記念を勝ったロゴタイプ(牡6歳、父ローエングリン、美浦・田中剛厩舎)は順調だ。

【次ページ】 牡馬相手に重賞3勝のルージュバックも争覇圏内。

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