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モーリスが弾けてもヒカリには……。
天皇賞・秋の1枠1番は最高の位置。

posted2016/10/29 08:00

 
モーリスが弾けてもヒカリには……。天皇賞・秋の1枠1番は最高の位置。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

イスバーン賞の勝利で、エイシンヒカリは国内以上に海外での評価が高い。追う側も早めの仕掛けになりそうだ。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 ここを勝つと種牡馬・繁殖牝馬としての価値がグッと高まると言われている第154回天皇賞・秋(10月30日、東京芝2000m、3歳以上GI)には、海外GI優勝馬3頭と、国内GI馬2頭を含む15頭が出走する。

 最大のポイントは、昨年、マイル界の絶対王者として君臨し、年度代表馬となったモーリス(牡5歳、父スクリーンヒーロー、美浦・堀宣行厩舎)が、スピードとスタミナの両方を求められる東京芝2000mでどんな走りをするか、だ。

 今年5月1日の香港チャンピオンズマイルまでマイル戦6連勝と圧倒的な強さを誇っていたが、帰国初戦の安田記念ではロゴタイプの逃げ切りを許し、1馬身1/4差の2着。展開が向かなかったことに加え、東京競馬場で着地検査をしながらの出走となったことが響いたようだ。

 それまでは、道中ぴたっと折り合い、エンジンのかかりが遅かったのだが、このレースでは序盤から掛かってしまった。

東京の直線で弾けるシーンが目に浮かぶが……。

 つづく前走の札幌記念は、1年5カ月ぶりにマイル以上の距離でのレースとなったが、安田記念よりずっと折り合っていた。僚馬ネオリアリズムに逃げ切られ、3着のレインボーラインに首差まで詰め寄られたが、収穫の多い一戦だった。小回りの札幌で強豪が前をとらえ切れずに終わることはままあり、2009年の札幌記念ではブエナビスタがヤマニンキングリーの2着に敗れている。また、モーリスと並ぶ最速タイの上がりで3着に来たレインボーラインは、次走の菊花賞で2着になっているのだから強い馬だ。

 鞍上に、昨年この馬でマイルGIを2勝した名手ライアン・ムーアを配し、5枠8番という、どんな戦術でもとれる好枠を引いた。

 道中は内で折り合い、東京の長い直線で弾けるシーンが目に浮かぶ。

 しかしモーリスが弾けても、前で競馬をするであろうエイシンヒカリ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・坂口正則厩舎)が本来の爆発力を発揮したら、また差し届かないことも考えられる。

【次ページ】 休み明けは得意だが、負ける時はアッサリ負ける。

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