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ライバルは“韓国のメッシ”イ・スンウ。
U-19代表・堂安律が目指す世界基準。 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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posted2016/10/27 11:00

ライバルは“韓国のメッシ”イ・スンウ。U-19代表・堂安律が目指す世界基準。<Number Web> photograph by AFLO

堂安が目指すのは「チームを勝たせる選手」。バルサのカンテラ育ちで3つ年下の久保建英のことも強烈に意識するという。

ライバルは“韓国のメッシ”ことイ・スンウ。

 G大阪ジュニアユースからユースに昇格した堂安は、高2だった2015年5月にACL決勝トーナメント1回戦のFCソウル戦で、クラブ史上2番目となる16歳344日の若さで公式戦デビューを果たしている。続く6月3日のJ1リーグ第10節の鹿島戦では、クラブ史上最年少リーグデビューも成し遂げた。高3となった今年は、トップ昇格を果たし、7月にはオランダの名門・PSVアイントホーフェンから正式オファーを受けるなど、常にこの年代をリードする選手の1人である。

 そんな彼にとって、心の奥に深く刻まれた1人の選手の存在がある。

 FCバルセロナに所属する“韓国のメッシ”ことFWイ・スンウ。

 堂安と同じ1998年生まれ18歳の俊英アタッカーは、ちょうど2年前のAFC U-16選手権において、堂安の目の前で破格のプレーを見せていた。

目の前で、50m独走のドリブルゴールを決められる。

 U-17W杯出場権が懸かった準々決勝で韓国と対戦した日本は、イ・スンウの圧倒的な個人技の前に守備をズタズタに切り裂かれ、0-2の敗戦を喫した。

 前半にイ・スンウに先制点を決められると、後半開始早々にハーフウェイライン手前からドリブルで50mの独走を許し、GKもかわされて無人のゴールに決定的な追加点を決められてしまった。

 この試合、堂安もスタメン出場していたが、2点目のシーンは彼の凄まじいドリブルを、ただ見つめることしか出来なかった。

「イ・スンウのことは頭の中にずっと入っている。あの試合があったからこそ、僕も『早く海外に行って彼を倒したい』と本気で思っているし、海外に行くためには自分が何をすべきかをずっと考えながらプレーをしています。必要なものは爆発的な個の力。イ・スンウは1人でチームを勝たせてしまうので、そういう選手になりたいんです。もちろん自分勝手なプレーではいけませんが、『あいつに渡せば何とかなる』という能力を高めたいんです」

【次ページ】 強烈な決意が、逆に心と体にギャップを生んだ。

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