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バレー新リーグ構想に企業の反応は?
11月30日に男女各6チームは集まるか。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byMichi Ishijima
posted2016/10/24 11:10
10月22日にVリーグ新シーズンが開幕した。11月末はシーズン真っ最中、果たしてどんな結末が待っているのか。
チームの運営を企業から分離して、法人化を。
現在、バレーボール観戦者の減少、競技人口の減少や人材の多競技への流出が進んでいるという。そこに歯止めをかけるため、チームや選手がより主体的にリーグ運営に関わる構造を作る改革案を今回提示した。
まず、今ある企業チームが「スーパーリーグ」に参入するためには、チームの運営を母体企業から分離し、バレーボール事業を行うために法人化されたクラブチームとなることが求められる。
リーグ方式は完全なホーム&アウェイ制にして、現在は開催地協会にある興行権を、チームやその運営会社に委譲する。つまり個々のチームの経営努力がダイレクトにチームに反映される環境に変わる。
「企業におんぶに抱っこではなく、チームが努力をしてスポンサーを獲得したり、チケットを売って、独立採算でやっていく。そうすることによって、ファン対応や地域対応といった部分で、一汗二汗、今までより多くかくというふうに、クラブ経営者や選手の目線が変わってくるはず」と佐藤副会長。
Bリーグの発足で体育館争奪戦が熾烈に。
地域密着型のクラブチームに移行し、地元ファンを獲得するとともに、地元の自治体との連携強化を図り、試合会場として体育館を優先的に利用できるといった効果につなげることも期待される。また、現在より大幅にホームゲームが増えることで、大会運営の合理化を目指す。
背景には、バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」発足などの影響により、会場の確保が難しくなっていることや、現在の方式では集客が難しい地方での試合開催の際、遠征費や役員費用がまかなえていないといった問題がある。
また「スーパーリーグ」では、現行の1枠の外国籍選手枠に加え、アジア枠を1つ設け、監督はプロであることが条件となる。
ただ、選手についてはプロ化は求めず、例えば母体企業からの出向という形をとるなど、雇用形態については現在の延長線上で構わないという。嶋岡会長は言う。
「我々はプロ宣言をしているわけではありません。プロ化に対する過去にあった選手や会社の反応を加味し、一番理解を得やすいやり方で進めるのが妥当だろうということで、そこはあえて今のままの形でということになった。
やはり選手の思いとしては、プロになって、短い競技人生の間に一生食えるだけのものを確保できるのか、将来のことを考えるとどうなのか、ということが一番最初にくると思う。『だからバレーはダメなんだ』という議論はあるかもしれませんが。企業のバックアップはもらいながらも、主体的に運営や経営の面でプロの目を持って、自分たちで自分たちのゲームを作るんだと考えてチーム運営をしていただきたい」