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バレー新リーグ構想に企業の反応は?
11月30日に男女各6チームは集まるか。

posted2016/10/24 11:10

 
バレー新リーグ構想に企業の反応は?11月30日に男女各6チームは集まるか。<Number Web> photograph by Michi Ishijima

10月22日にVリーグ新シーズンが開幕した。11月末はシーズン真っ最中、果たしてどんな結末が待っているのか。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Michi Ishijima

「今、変わらなければ」という意気込みと危機感はひしひしと伝わってきた。

 9月20日、日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)は記者会見を行い、新リーグ「スーパーリーグ」構想を発表した。

 Vリーグ機構の嶋岡健治会長は、こう決意を語った。

「今までのVリーグの、企業が主体となったいわば部活のようなありかたから脱却し、チーム自体が事業者となり、地域を巻き込み、ファンの方達を楽しませていく、海外のリーグや他の競技では当たり前ともいえる環境を、遅まきながら作っていくことを目指します」

 Vリーグの前身である日本リーグ創設50周年を迎えた今年、そうした構想にいたった経緯を、嶋岡会長はこう明かした。

「Vリーグが発足した1994年以後、3大大会(オリンピック、世界選手権、ワールドカップ)で日本が上位の成績をおさめたのは、2010年世界選手権での女子3位、'12年ロンドン五輪での女子3位のみ。男子はオリンピック6大会中5大会に出場すらできていないという非常に厳しい状況が続いている。

 日本代表が世界と伍した活躍ができていない理由の一端は、我々Vリーグにもあると言って過言ではない。'20年東京五輪の時に、今のような状況であることはどうしても避けなければならない。バレーボール界として大きく舵を切っていきたい。

 何度も同じ話を聞いてきたよと思われる皆様も多いことは十分承知しています。日本のバレー界が世界に君臨していた過去の姿にとらわれて、これまで踏み込んだ改革ができなかったのは認めざるを得ない事実です。

 しかしながら、'20年東京五輪や、日本リーグ100周年といった未来を考えた時に、今のリーグのありかたで存続し続けることが果たして可能だろうか。日本のスポーツの歴史は学校体育にあり、企業スポーツの延長線でずっとここまできましたが、ある部分、もう限界に来ているんじゃないか。そこが今回の発想のスタート地点になっています」

チームにとって試合が与えられたものである現状。

 佐藤直司副会長も、現状の問題点をこう語った。

「現在のVリーグの大会運営は、Vリーグ機構や開催地のバレーボール協会が担っている。チームにとって試合は与えられたものでしかなく、主体的に何かをしなければという意識が欠落しているように思います。チームがファンの皆様の満足度を高めるために何をしているかと言うと、なかなかそこまでたどり着けていないチームがほとんど。

 観戦してくれるファンを増やすことは、チームにとっても、バレーボール業界全体を盛り上げるためにも欠かせないことだという認識が薄い。その結果、戦略的に観客を増やしていくのではなく、テレビでアイドル的に取り上げられる一部の代表選手など、選手の個人的な人気に集客を依存せざるを得なくなっていると言えます」

【次ページ】 チームの運営を企業から分離して、法人化を。

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嶋岡健治
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