2016年の高橋由伸BACK NUMBER

CSでの死闘は希望なのか絶望なのか?
高橋・巨人に奇跡を願った、この1年。
 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byNaoya Sanuki

posted2016/10/14 17:00

CSでの死闘は希望なのか絶望なのか?高橋・巨人に奇跡を願った、この1年。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

今季終了にあたって「互いに総力戦の中で精いっぱい戦った。その中で、私の力不足を痛感した」とコメントした高橋監督。

ここでキラー由伸が炸裂してしまったら……。

 先ほど高橋由伸に参戦して欲しいとくじ引き前提で書いたけど、巨人は競合を避けるのではなく「美味いものは美味い」に、そろそろチャレンジして欲しい。今年のスローガンは「一新」ではないか。あ、なんか懐かしい……。

 前回私は「今年はまだクライマックスシリーズがある。由伸はどんな結果を残すのか。ファーストステージであっさり敗れることも予想できるし、その逆もあり得る。読めない」と書いた。

 代打の切り札として打席に入り、あっさりホームランを打つのは高橋由伸の「最近の」必殺パターンだった。ところが今年はまだそんなクールなキラーぶりは見せていない。広島と横浜のファンが25年ぶりの優勝や初のCS進出で歓喜してるなか、もしここでキラー由伸が炸裂してしまったらどうなるんだろう、というひそかなドキドキがあった。

 しかし結果はファーストステージで敗れた。

 今年の雰囲気からして負けるならあっさりを予想していたのだが、死闘を展開し、最後まで食らいついていたのが意外だった。これは来季への希望とも見えるし、考え方によっては絶望とも思える。

 その理由をこれから書いてゆこう。

巨人に、続けざまに不幸が襲いかかる!

 ファーストステージの前、ファンをザワザワさせた2つの「事件」があった。

 ひとつ目は「クルーズ 懲罰抹消 CSへ由伸監督大ナタ」(スポーツ報知・10月4日)である。

 クルーズに全力プレーが見られなくなったとして、CS前に二軍降格となった。言わば、チンタラ・クルーズに由伸監督が激怒したわけである。

 2つ目は「菅野 開幕回避も。わずか10分で帰宅 異例練習行わず」(同・10月7日)という事件。絶対エースが体調不良で大一番に登板できない。

 この2件はどう考えても暗いニュースで大ピンチだけど、私はけっこうワクワクしてしまったのである。

 というのも、ネガティブな要素が出し尽くされたら短期決戦ではガラッと逆の目が出ることがあるからだ。

【次ページ】 一昨年の阪神の下克上を思い出したのだが……。

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