ニッポン野球音頭BACK NUMBER
DeNA、奇跡の4連勝に必要なこと。
打線の“怖さ”を意図的に作り出せ。
posted2016/10/14 12:40
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
NIKKAN SPORTS
挑戦者が早くも崖っぷちに追い込まれた。
日本シリーズ進出をかけたCSファイナルステージは2戦目までを消化し、セ・リーグ王者のカープが2連勝を飾った。アドバンテージも含めてカープの3勝0敗となり、アップセットを狙うベイスターズはここから4連勝するしか道がなくなった。
「今日はいい試合ができるのではないかと期待していたが、連夜、厳しい試合になった。選手たちはバットは振れていたと思うが、それ以上のピッチングをされてしまった」
第2戦終了後、ラミレス監督はそう語り、第1戦に続いて相手投手の出来を称えた。だが、5-0、3-0と2戦連続の零封負けを喫した試合内容から、敗因が打線にあることは明白だ。
第1戦は左腕ジョンソンに快投を許し、散発3安打で二塁にすら到達できなかった。第2戦は野村祐輔から今村猛、ジャクソン、中崎翔太とリレーした広島投手陣に5安打に抑え込まれた。2戦合計8安打はいずれもシングルヒットで、すべて別々のイニングに出たものだった。
長打がないうえに、つながりもない――。ベイスターズ打線は今、そうした厳しい現実に直面している。
ロペス、筒香、梶谷の不振が厳しい。
特に痛いのは、柱となるべき選手が揃って結果を出せなくなりつつあることだ。
9月の月間MVPで、ファーストステージでも2本塁打と好調を維持しているかに思われたロペスが、この2試合では7打数0安打。頼みの綱の筒香嘉智までもが8打数1安打と、得点源の“200打点コンビ”が機能していない。
特に筒香は、ファーストステージ第1戦での逆転2ランが鮮烈な印象を残したものの、第2戦以降は16打数3安打6三振(すべて空振り)という内容で本調子とは程遠い。
ファーストステージ第3戦で死球を受けた梶谷隆幸の骨折もバッドニュースだった。左手薬指に激痛が走る状態ながら強行出場を続け、1戦目には器用に2安打したとはいえ、長打力という武器がそがれてしまったのは大きな戦力ダウンと言わざるをえない。