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<2年連続の大記録>
山田哲人「タイトルより、トリプルスリー」 

photograph byHideki Sugiyama

posted2016/10/17 10:00

<2年連続の大記録>山田哲人「タイトルより、トリプルスリー」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama
狙うは前人未到の2年連続トリプルスリー。若き天才は高きハードルを平然と超えたかに見えた。だが、その裏には人知れぬ受難と苦悩があった。番記者だけが知る今シーズンの戦いの記録。

 追い込まれても、体勢を崩されることなく打ち返す。

 山田哲人の打撃の特徴だ。変化球に対しても泳がされることが少なく、クルッと軸回転を保ち、安打を放つことができる。

 その原点は少年期にあった。山田の宝塚リトル時代に監督を務めた李相鎬が言う。

「自分のポイントまでボールを引きつけ、軸回転で打つことを徹底させ、振り遅れても前に崩されない打撃を教えました。山田はタイミングの取り方が非凡でしたね。今は左足を高く上げるフォームですが、当時はすり足気味でした」

 決して飛び抜けた飛距離を持っていたわけではないが、本塁打や安打を量産した。

「打率にして7割くらいは打っていたと思います」

 李がうなった一打がある。小学6年の大会で、後にプロ入りする勧野甲輝(元楽天、元ソフトバンク)と対戦したときだ。

「多くの小学生は直球狙い。勧野のような速球派なら、なおさらその傾向が強くなる。でも、山田は初球の変化球を左翼方向へ打ち返しました。それも、体勢を崩されずに、です。小学生ながら変化球を狙う勇気と技術がありましたね」


 少年時に教わった打撃の基礎が、今も生きている。同一シーズンで打率3割、30本塁打、30盗塁をマークするトリプルスリー。山田はシーズン前、2年連続の達成に狙いを定めた。

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