2016年の高橋由伸BACK NUMBER
CSでの死闘は希望なのか絶望なのか?
高橋・巨人に奇跡を願った、この1年。
posted2016/10/14 17:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Naoya Sanuki
あれは2012年のドラフト会議だったか。阪神タイガースの和田豊監督が藤浪晋太郎の当たりクジを引いて世は騒然となった。
甲子園を春夏連覇した大阪桐蔭のエース藤浪は、オリックス、阪神、ロッテ、ヤクルトの4球団の競合となった。当時の阪神はドラフト1位のくじ引きに12連敗中。おまけにその年に就任した和田監督は5位で終えるという低迷スタート。
「どうせ阪神はダメだろ」という空気のなか、見事に和田監督が当たりクジを引いたからもう大騒ぎ。阪神ファンの友人は「和田、今年一番の仕事や!」と興奮していた。
なぜこんなことを思い出したかというと、高橋由伸である。
10月20日に迫ったドラフト会議。巨人はくじ引きとなったら高橋由伸に“出馬”させたら面白いんじゃないか。最後ぐらい良いことがあるかもしれない。
高橋監督は、ドラフト会議では今年が“新人”。
高橋由伸のこの1年は、それぐらい大変な1年だったと思う。
そもそも去年のドラフト会議のときは監督に就任していなかった。原辰徳監督の急な退任や野球賭博事件で球団は揺れていた。巨人が監督不在でドラフト会議に臨んだのは41年ぶりという珍事態。
つまり、高橋由伸監督にとってドラフト会議は今年が“新人”なのである。そう考えると俄然興味がわく。ルーキーの頃からホームランをかっ飛ばしていた由伸のくじ引き参戦を見てみたい。最後ぐらい良いことがあるかもしれない(また書いてしまった)。
大豊作と言われる今年のドラフト会議。この時期はドラフト候補生を集めた紹介記事や雑誌を読むのが大好きだ。
田中正義(創価大)、今井達也(作新学院高)といった投手も当然すばらしそうだけど、巨人若手野手陣の元気のなさを見た今年は吉川尚輝(中京学院大)や京田陽太(日本大)といった野手もチームの雰囲気を変えそうで魅力的。あーでもないこーでもないと寝る前に独りドラフトを妄想できるのが今の時期の醍醐味である。