球道雑記BACK NUMBER
“ドラ1”兄へのライバル心は今や昔。
ロッテ大嶺翔太に漂う覚醒の気配。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/09/14 08:00
公式サイトのアンケートでは「釣り」が特技だと語る大嶺翔太。石垣島出身の有望株は“出世魚”となれるだろうか。
8月まで0割台と崖っぷちも、9月月間打率は3割台。
そして迎えた9月。大嶺翔は覚醒した。
8月まで22打数2安打、打率.091とまさに一軍の崖っぷちにいた彼だが、9月に入ってからは11日までに28打数10安打、月間打率.357と打ちまくり、3日と8日の埼玉西武戦では2度の猛打賞も記録した。
シーズンの打率も.240まで上昇。怪我の影響もあってファームで調整を続けているヤマイコ・ナバーロに代わって、その存在をアピールしている。
ファームでは力強い打球を打つために、ウエイトトレーニングで徹底的に体を鍛えた。
その効果もあってか9月に入ってから放った10安打中4安打は長打にもなっている。
9月9日の西武プリンスドーム(対埼玉西武戦)で試合後の彼に声をかけると、「今はまだ目の前のことで精いっぱい」と答えたが、去り際に「またマリンでよろしくお願いします」という言葉が自然と口に出たのも、今の状態に自信を持てているからではなかろうか。
兄と肩を並べて再びお立ち台に並ぶ日はそう遠くないはずだ。