秋にのんびりしてる選手は“消す”。
ドラフト目前、今見たい選手たち。

　夏の甲子園が終わって、高校野球では「U-18アジア選手権」という国際大会が台湾（台中）で行われた。

　この＜夏＞の主役たちに、惜しくも甲子園は逸したが全国レベルの腕利きたちが加わってチームを組む今年の「高校ジャパン」にはドラフト1位候補の投手が4人も5人も居並んで、アジアでは抜けて強いに決まっていると思っていたら、その実力を発揮しながら、決勝戦までの6試合を韓国に1点取られただけで優勝してしまったから驚いた。

　台湾の球場から送られてくるテレビ中継を見ていたら、アナウンサーの話に「今日もネット裏には日本のプロ野球のスカウトの姿が……」というくだりがあった。

　なにを見に行っているのだろう。

　素朴な疑問が湧いた。

　このチームに選ばれたドラフト候補たちは“きのう今日”の選手たちじゃない。早ければ1年生の頃から注目され始めて、2年生、3年生ときっと何度も見ていて、この夏の予選でも見て、もちろん甲子園でも穴が空くほど見ていて評価は決まっているはずなのに、今さら、どこを見るのかな…。

　国際試合でどんなプレーを？

　選ばれた優秀な選手たちの中で、どこまで本来の実力を発揮できるのか？

　大義名分はいろいろあるのだろうが、自分たちより“格上”が見当たらないこの大会で、選手たちのプレーの中から新たに見えるものって、いったい……？

U18より興味深い、大学と社会人の勝負野球。

　ならば、今。

　夏の高校野球も終わって、大学野球の秋のリーグ戦もようやくポツポツ始まったばかりの“今”。

　もし私がスカウトなら、何を見に行くのかな……と考えると、結構この時期、興味深い野球がそこここで行われている。

　秋の本番を目前にした大学チームと、同様に秋の「日本選手権」の予選を控えた社会人チームとのオープン戦が面白い。

　練習試合といったって、お互い、そのままの流れですぐ公式戦になだれ込もうというこの時期、そこで行われるのは、本気も本気の“勝負野球”だ。

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