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侍ジャパン壮行試合で豪華応援対決!
“美爆音”習志野vs.伝統の六大学。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byYukiko Umetsu/NPB Enterprise

posted2016/08/31 11:00

侍ジャパン壮行試合で豪華応援対決!“美爆音”習志野vs.伝統の六大学。<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu/NPB Enterprise

写真上が六大学応援団連盟、下が習志野高校応援団。試合も熱戦だったが、負けず劣らず応援席も大熱戦であった。

いつもは競い合う六大学が、今日は全大学一丸に!

 高校野球応援に大きな影響を与えてきた六大学野球応援。学生服を着た勇ましい応援リーダーに、華やかでキレのあるチア、そこに大人の風格が漂う吹奏楽の演奏という三位一体の魅力がスタンドを巻き込んでいく。

 高校野球応援でも多くの学校が取り入れている、「ダッシュケイオウ」(慶應)の歌詞は「早稲田を倒せ 早稲田を倒せ 早稲田を倒せ」から始まるが、今試合では「絶対勝つぞ 絶対勝つぞ 絶対勝つぞ」に変更。

 全大学が一丸となって、スタジアムを制しにいく。

「Let's Go! ならしの」等、千葉を代表する名曲も。

 一方、初回でたたみかけられ、一気に5点を奪われた高校代表。

 習志野の応援団は、もはや習志野の市民歌といえるほど市民にも定着している代表曲「Let's Go! ならしの」に、石津谷氏が「千葉を代表する野球応援」として敬意を払う拓殖大学紅陵高校のオリジナル曲「チャンス紅陵」と「燃えろ紅陵」を繰り出し応戦。作曲者の拓大紅陵高校吹奏楽部顧問・吹田正人氏も習志野スタンドに駆けつけ、部員たちに演奏のポイントをレクチャーしつつ、メガホンで大声援を送る。

 激アツすぎる応援合戦が続くなかゲームは進み、早くも7回。ここで習志野は驚く秘策を用意していた。なんと、本家を前にして早稲田の「コンバットマーチ」を演奏するというのである。

「10年以上野球応援では使っていませんが、今日のために楽譜を揃えて練習してきました」と吹奏楽部顧問の海老澤博氏。この度胸の据わった行為に、大学側スタンドからもざわめきが起こった。

「イントロが流れてきた瞬間、一斉にざわつきました(笑)。まさか本家を前にこの曲をやるのかと。大迫力の美爆音に感心していましたが、『こっちも負けられない』と、闘争心を煽られましたね」(林屋氏)

 高校野球でも長年愛され続けている「コンバットマーチ」や「チャンス法政」「ダッシュKEIO」「不死鳥の如く」などの人気応援曲だが、六大学の本物の演奏は、やはり重厚感が違う。近年、六大学の曲と知らずにこれらの曲を応援に取り入れる高校も少なくないが、ぜひ高校生にも球場で本物の演奏を聴いてもらいたいと切に思った。

【次ページ】 大成功に終わったこの大会。是非来年も続けて欲しい!

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