セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ナポリのイグアインロスは埋まるか。
マラドーナはタイトルを叫ぶが……。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2016/08/10 11:30
長らくナポリを支えるハムシクと、サッリ監督。このクラブの“背骨”は全くぶれていない。
サッリ「ユーベの優勝がもう決まっている?」
20日の開幕を前に、今シーズンのスクデットはもはやユベントスで決まったも同然、という空気が支配的だ。
ただし、智将アッレグリは「優勝して当然という風潮と油断が怖い」と心理面の影響を警戒する。
トッププレーヤーの大量補強をした王者の新チームは、EURO2016出場組の合流が遅かったこともあり、まだまだ荒削りでぎこちない。
7日に行われたウェストハムとのテストマッチには3-2で勝ったが、途中出場したFWイグアインの調整不足は明らかで、ナポリ時代のような高いシンクロ度を新チームメイトたちと得るにはまだ時間がかかる。
CL制覇を視野に入れた超補強のユーベに対し、ナポリはチームとしての体力を上げる“質実剛健”型補強を選んだ。
ダンマリを決め込む前、指揮官サッリは今季への決意を露わにしていた。
「ユーベの優勝がもう決まっている? データや選手の知名度だけで考えるなら、答えはイエスだ。しかし、カンピオナートは38節もある。何より(来年の)4月2日、サン・パオロでの試合が彼らにとって最も恐るべきゲームになることは約束しよう」
イグアインよ、さらば。
裏切りのエースを見返し、恨みを晴らすためには、彼とユーベを倒すしかない。
遺恨対決の第1ラウンドは10月末の11節だ。怒りを貯めこむサッリは、それまでに吸い殻の山をどれほど積み上げるだろうか。