セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ナポリのイグアインロスは埋まるか。
マラドーナはタイトルを叫ぶが……。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2016/08/10 11:30
長らくナポリを支えるハムシクと、サッリ監督。このクラブの“背骨”は全くぶれていない。
古巣エンポリから“人気銘柄”を獲得。
昨季終了後、2020年までの長期契約を結び直したサッリとナポリは、今夏移籍市場での“投資先”を吟味した。
投資の対象として選ばれたのは、昨季エンポリで高い評価を受けたDFトネッリやMFジーリンスキだ。
国際的知名度は今ひとつかもしれないが、ポーランド代表のジーリンスキにはリバプールが、トネッリにも国内外のクラブがそれぞれ食指を伸ばしていた。彼らはセリエA市場の隠れた人気銘柄だった。
「ナポリには勝つために来た。監督とももう話をしている」
セリエAですでに4年の経験を持つ野心家のMFジーリンスキは、恩師サッリ率いるナポリにも難なくフィットするはずだ。
彼らの加入によって、ナポリの元エンポリ組は5人になった。
昨夏に入団したアルバニア代表DFヒサイは、サッリの抜擢を受けて右サイドバックに定着し、躍進のキーマンとなった。MFバルディフィオーリはMFジョルジーニョの先発ポジションを脅かすに至らなかったが、クラブが今夏画策したトリノへの放出を制止したほどに指揮官の信頼はなお厚い。
メイド・イン・エンポリはついに5人に。
エンポリ時代のサッリ門下生にあたる彼らは、すでに指揮官の哲学や4-3-3をカラダで理解しているのが強みだ。地味だが職人揃いの“メイド・イン・エンポリ”組が、今季からナポリの屋台骨を支える。
彼らに加えて、運動量と足元のテクニックで高評価を受けるイタリア代表FWジャッケリーニと、アヤックスでの過去2年で47ゴールを上げたポーランド代表FWミリクが入団した。2人はそれぞれEURO2016でも印象的なゴールを上げている。
現時点でイグアインの抜けた3トップ中央に置かれているのは、イタリアに数多い“未完の大器”型FWガッビアディーニだ。彼とミリクの健全なポジション争いは、チーム全体に好ましい刺激を与えるに違いない。