熱血指揮官の「湘南、かく戦えり」BACK NUMBER
1stステージ最終節、湘南・曹監督の心。
四季の移ろいを感じつつ、成長を知る。
text by
曹貴裁Cho Kwi-Jae
photograph byShonan Bellmare
posted2016/06/29 10:45
ついに1stステージ最終節。目指すべきコンセプトを変えずにきたことで、チーム力も上向きになってきた!
湘南が目指す“究極のディフェンス”とは?
ただ昨日は、“究極のディフェンス”ができるように試合に入らなければいけないと話した。
柏はボールを動かす力が非常にある上に、我々のハイプレスも想定したプランを組んでくるリスペクトすべきチーム。そういう相手に敵地で選手もかなりテンションが上がっているであろう状況で、最初からボールを動かされることに対しイライラした感情を抱かせないためにもあえてこういう話をした」
――“究極のディフェンス”の意味するところは?
「1つ目は相手がどんな形だろうと、前線からしっかり蓋をしていくこと。それによって多少ロングボールを入れられ裏を通されてもそれは次の対応で防げばいい。2つ目はもしうまく外されて縦パスを通されても、すぐまたボール脇まで戻ること。そして3つ目、これを一番強調したんだけれど、やはり最後ゴール前に鍵をかけて、ボールを動かされてもチャンレジ&カバーを怠らない。クロスを上げられても中央でしっかり跳ね返し続ける。
こういう話を今やっている欧州選手権の映像を見せながら話をした。イングランド対スロバキアの試合や、スイス対フランスの試合の、ゴール前でシュートブロックしている場面を多く盛り込んで。大事なのはここだと、そういうプレーが攻撃のテンポを生んでくるという話を視覚的にも訴えた」
2点目、3点目を取れるチームにならないと。
――試合終了直前の失点がなければ、という思いは?
「結果論ではなく、最初から最後まで僕の思っていたようにゲームが動いたと感じている。最初からボールを持たれながらもゴール前に鍵をかけ、時間が経つごとに我々にカウンターのチャンスが生まれる。その中でセットプレーから1点を決めることができたが、最後の一瞬だけゴールに鍵をかけられなかった。
もちろん試合前に映像を見せて、それで勝てるほど甘い世界ではないから、ドローという結果は妥当だったかもしれない。ただやっぱり2点目、3点目を取れるチームにしていかないといけないと感じている」