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内藤哲也に新日“直言”の系譜を見る。
彼の暴言三昧がなぜ喝采を受けるか。 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byEssei Hara

posted2016/06/16 11:00

内藤哲也に新日“直言”の系譜を見る。彼の暴言三昧がなぜ喝采を受けるか。<Number Web> photograph by Essei Hara

IWGPのベルトをリングに捨ててリングを降りるパフォーマンスも、ファンは喝采で見送った。内藤哲也はどこまでいくのだろうか。

セリフ感が抜けないオカダよりも求心力は大きい。

 本音の言葉でコアなファンのハートをがっちりとつかんだ内藤は、「トランキーロ! 焦んなよ!」という決め台詞を持ったことで、ライトなファンをも巻き込むことに成功しはじめている。内藤は言葉によって、求心力と遠心力の両方を獲得したのだ。

 一方で、前王者オカダ・カズチカの発言からは、いまだにどこかセリフ感が漂い、なかなか本音が見えづらいところがある。誰もがその才能を認めながら、オカダがコアなファンの心を鷲づかみするような求心力の獲得に成功していないのは、こんなところにも理由があるのだろう。

6.19のIWGPでぶつかる2人は、何を見せるのか。

 オカダ・カズチカが真のスーパースターになるために必要なのは、2億円をつかった遠心力ではなく、自分をさらけ出すことによって獲得する求心力ではないのか。内藤の数々の言葉は、そんなオカダに対して「おまえの本音、見せてみろよ」と挑発しているようにも思える。

 6.19大阪城ホールでは、IWGPヘビー級タイトルマッチとして内藤哲也vs.オカダ・カズチカの再戦が決定した。

 大阪といえば、内藤がベビーフェイス時代から、一番ブーイングを浴びていた場所だ。しかし、今回はこれまでとまったく違う空気が会場を支配することだろう。時代の追い風が内藤に吹く中、オカダはどんな闘いを見せるのか。

 この一戦は今後の新日本プロレスをうらなう重要な試金石となる。試合内容、結果とともに、内藤、オカダ双方の言葉にも注目だ。

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