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リオ五輪の体操団体をシミュレート。
白井のゆかでリード、内村が決める!
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2016/06/07 10:40
最終選考会でも、ただ1人16点を超えて2位に0.8もの大差をつけてゆかで優勝した白井健三。日本最大の武器と言っても過言ではない。
平行棒は16点台、そして最後は内村の降り技で!
第5種目「平行棒」
日本選手が得意とするこの種目には、選考の妙を感じさせられた。もしも神本雄也が入っていたら内村をこの種目で休ませることができたかもしれない。ただ、内村は当初から「6種目すべてに出るつもりだ」と覚悟を決めており、心配は不要だ。
出場が予想されるのは加藤、田中、内村だ。加藤と内村には16点に近い演技を期待。そして最もDスコアの高い田中には16点台が期待できる。
昨年の世界選手権では団体の金メダルを獲得したものの、平行棒では田中にミスが出た。全員がミスなく本来の力を出せれば、日本は優位な状況で最終種目の鉄棒を迎えられる。
第6種目「鉄棒」
本来、日本選手が最も得意とするのがこの種目だが、落下の危険がある種目であることやプレッシャーがのしかかる最終種目ということを考えれば、点差によって技の出し入れを自在にできる能力も求められる。
出場予想は加藤、田中、内村。加藤には、重圧のかかった5月のNHK杯で見せた15.600の演技を再現し、日本に勢いをもたらしてもらいたい。田中には16点台の期待が懸かる。内村が「佑典は『日本の体操は美しい』ということを世界に印象づけてくれる存在」と話しているように、突き抜けた美しさを披露することに集中したい。
そして、美しい体操が世界を制する瞬間を演じるのは、昨年の世界選手権種目別鉄棒金メダリストの内村だ。
アテネ五輪で冨田洋之が見せた栄光への放物線を再びなぞる降り技で、体操ニッポンを頂点へ導いてほしい。