プロ野球亭日乗BACK NUMBER
今季12人目の助っ人を三軍スタート!?
巨人の堤GMは外国人やりくり上手。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySPONICHI
posted2016/05/27 07:00
三軍の練習に合流したガルシア。右脇を大きくあけた打撃フォームは元DeNAのグリエルに似ていると評判。
ギャレット降格、アンダーソン昇格は想定内。
ガルシアの入団が発表された5月23日、巨人は開幕戦で4番を務めたギャレット・ジョーンズ外野手の一軍選手登録を抹消し、代わって翌24日にレスリー・アンダーソン外野手を昇格させた。
「この時期に手術を決めたのは、ギャレットがダメなケースに備えて。いま手術すれば5月末の交流戦までにはプレーできるようになる」
キャンプ中の2月にアンダーソンの左ひじ手術が決まったとき、ある球団関係者が手術に踏み切った経緯をこう語っていた。
アンダーソンは昨オフにも左ひじの遊離軟骨と骨棘の除去手術を受けたが、キャンプイン直後から違和感が取れずに、2月23日に再手術に踏み切った。時間を置けばプレーできる可能性は残されていた。手術をすれば開幕に間に合わなくなる。ただ、早く手術をすれば交流戦の前には戦列復帰が可能となる。
「ギャレットは開幕から1カ月から2カ月程度は日本の野球への順応、適性を見なければならない。だとすると5月末ぐらいが最初の決断になる」
その球団関係者は説明した。
開幕ではなく、最初に外国人問題が浮上する5月の危機管理を考えて、アンダーソンの手術を決めたのである。
ギャレットは開幕直後にはチームのスタートダッシュの一端を担う活躍を見せたが、その後は相手バッテリーの厳しいマークにあい、なかなか結果が出なくなっていた。
そういう意味ではこの時期の2人の入れ替えは、ある意味想定内。計算尽くの配置転換でもあったわけだ。
投手陣も外国人でのやりくりが続く。
投手陣にしても、キャンプ前にはマイルズ・マイコラスにアーロン・ポレダ、スコット・マシソンの3人から誰かが外国人枠であぶれるのではという見方もあったが、実際に始まってみれば、マイコラスはキャンプで離脱し、ポレダも開幕直後に一軍のマウンドから去った。今は中継ぎのマシソンと、危機管理要員として確保していたエクトル・メンドーサ投手がその穴を埋めていたのが実情だ。
そうやって外国人選手をやりくりして凌ぐことで、巨人は開幕から優勝争いを演じ、今も何とか混戦の中心の位置を守っているわけである。