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今季12人目の助っ人を三軍スタート!?
巨人の堤GMは外国人やりくり上手。
posted2016/05/27 07:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
SPONICHI
巨人に12人目の男がやって来たのは5月23日のことだった。
ホセ・アドリス・ガルシア。
キューバのナショナルチームでもプレーする23歳の外野手である。
ガルシアは18歳からキューバ国内リーグでプレーし2014-15年のシーズンには85試合に出場してリーグ最多の110安打を放ち打率3割2分2厘、12本塁打で53打点をマーク。直近の'15-'16年のシーズンでも打率3割1分5厘、14本塁打でリーグ最多の71打点を記録した選手だ。
足もあり、肩も強い。代表チームでの出場経験もあり、3月に行われた大リーグ、タンパベイ・レイズとの親善試合でも2安打を放っている。潜在能力の高さではアトランタ・ブレーブスでプレーする実兄のアドニス・ガルシア内野手より上という声もあるほどだ。
ただ、この選手を12人目の外国人選手として獲得した巨人の堤辰佳GMは、入団会見でこう語っている。
「一軍ですぐにできるかどうかは分からない。秘めた力をファームで鍛えて、伸ばしてもらう」
シーズン後半や終盤に戦力になる可能性を探る。
キューバの至宝と言われたフレデリク・セペダ外野手の苦い経験もある。キューバと日本の野球の違いにどう適応するかが、成功のカギだと考えている。だからまずは一軍の戦力とは考えないし、当面はそうするつもりもない。もう少し先に視点を置いた補強だということだ。
そのためにまずは三軍でスタートさせて、日本の野球と環境に慣れさせることから始める。そうして堤GMが語るように、秘めた力がファームで開花すれば、ひょっとしたらシーズン後半や終盤に、戦力となる可能性が開けるという思惑なのである。