プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武の次世代投手陣が……見えた!
佐藤勇、多和田真三郎のデビュー検証。
posted2016/05/18 10:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
NIKKAN SPORTS
チーム防御率4.17は現在、パ・リーグ第4位。失点195は両リーグを通じて最下位。
チーム失策42という数字を見れば、失点数がバッテリーだけの責任でないことは明確だが、エラーが出た後にピッチャーが踏ん張れず、そのままずるずると失点するシーンが目立つのが今年の埼玉西武ライオンズだ(成績はすべて5月15日現在)。
いきなりネガティブな話題から入ってしまったが、先発ローテーションがなかなか固定できない今シーズンのライオンズにとって、もちろん現在のチーム状況はピンチではある。
しかし、逆に考えれば若い投手、それも一軍経験の浅い選手にとっては自分の存在をアピールする好機とも捉えられないだろうか。
そんな中、4月下旬から5月にかけて一軍デビューを飾った投手が2人いる。プロ入り4年目の佐藤勇と、2016年ドラフト1位で入団したルーキーの多和田真三郎である。
将来性を感じる佐藤勇の堂々たるプレー。
先に一軍デビューを果たしたのは佐藤勇だった。
佐藤は福島県、光南高校出身の左腕。140キロ後半の速球を武器にチェンジアップ、スライダーを操る本格派だ。
今シーズンは自身、プロ入り初となる一軍キャンプからシーズンをスタートした。開幕一軍は逃したものの4月26日の千葉ロッテ戦で中継ぎとしてプロ初登板。その後も中継ぎで計3試合に投げたあと、5月11日の東北楽天戦でプロ入り初先発。4回3分の1を投げ自責5という内容でマウンドをあとにした。この日は序盤から変化球が荒れ、コントロールに苦しんだ。
ただし、プロ初黒星を喫したものの、ボールが先行しても落ち着き、堂々と投げる姿には将来性を感じた。