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前田健太と新人の旋風。
新人王争い、最大のライバルは? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2016/04/23 11:00

前田健太と新人の旋風。新人王争い、最大のライバルは?<Number Web> photograph by Getty Images

対戦相手の大物打者たちも前田の投球にここまでは舌を巻いている状態だ。

開幕4試合で6本塁打という花火大会状態。

 まず4月4日の開幕戦、アリゾナでの対ダイヤモンドバックス戦で、ストーリーは2本塁打を放った。つづく5日と6日にも1本ずつ。このあたりから、彼の周辺はにわかに騒がしくなりはじめた。

 当然だろう。開幕戦から3戦連続で本塁打を打った新人選手は史上初めてだ。開幕3戦で4本塁打を打った選手も、近代野球では第1号。しかもストーリーは、開幕4戦目の4月8日(ホーム開幕戦)にまたもや2本のホームランを打ち、全米の度肝を抜いたのだ。この合計が、4試合で6本塁打。アリゾナが海抜330メートル、コロラドが海抜1586メートルという打者に有利な条件(ボールが飛びやすい)こそあったものの、開幕4戦で6本塁打という花火大会はそうそう見られない。しかも、有望株とはいえ、去年まではほぼ無名だった新人が、これをやってのけたのだ。

 開幕4戦に全試合で本塁打を打った選手は、何人かいる。1971年のウィリー・メイズ(ジャイアンツ)、'98年のマーク・マグワイア(カーディナルス)、2011年のネルソン・クルーズ(レンジャーズ)、'13年のクリス・デイヴィス(オリオールズ)といった顔ぶれだ。いずれも、長距離砲の誉れが高い。

打ち立てた記録はオールスター級の選手のもの。

 一方、新人で本塁打を量産した選手というと、'87年のサム・ホーン(レッドソックス)の名を思い出す。あの年のホーンは、7月下旬にメジャーに昇格し、デビュー戦、第2戦、第5戦、第6戦で1本ずつ本塁打を放ったのだった。ただし、華やかだったのはこの時期だけで、あとはぱっとしない。'87年は46試合で14本塁打。'88年と'89年は、2年間で2本塁打。オリオールズに移籍した'90年には14本、翌'91年にも23本塁打を記録したが、その活躍を最後に、31歳の'95年、早くもバットを置いている。

 ストーリーの将来は、どちらに転がるのだろうか。彼は開幕6戦で7本塁打の新記録も樹立した。これまでの記録は6戦6本塁打で、'64年のメイズ(ジャイアンツ)、'76年のマイク・シュミット(フィリーズ)、'97年のラリー・ウォーカー(ロッキーズ)が分け合っていた。3人ともオールスター級の選手で、メイズやシュミットは殿堂入りも果たしている。

【次ページ】 前田健太のライバルはストーリー以外にも?

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