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野球におけるアナウンサーの重要性。
MLBには監督とトレードされた人も!

posted2016/04/28 10:40

 
野球におけるアナウンサーの重要性。MLBには監督とトレードされた人も!<Number Web> photograph by AFLO

野球がラジオと相性のいい競技だと言われる中には、アナウンサーたちの個性と魅力が大きく寄与していた。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 いつだったかテレビで、タレントの柳沢慎吾さんが高校野球の実況中継と試合の様子を実演していた。

 腹の底から笑ったと同時に、自分も子どもの頃、似たようなことをやっていたのを思い出した。

「9回裏、ツーアウト満塁。3-0でタイガースがジャイアンツをリード。打席にはここまで3打数無安打の王が入ってます。ピッチャーは古沢。2ストライク3ボールから第6球目を投げました。打ったぁ! 大きいっ! 大きいっ! ライトスタンド一直線! 入ったぁ! ホーーーーームラン!」

 そういう“語り”を誰かに教えられたわけではない。子どもの頃はナイターをテレビで見るのが普通のことだったので、ただ何となく、実況中継というのはそういうもんじゃないのかな、と覚えていただけだった。

壁に書かれていた、ブロードキャスターの言葉。

 そんなことをふと、クリーブランド・インディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールドで思い出したのには理由がある。同球場の4階にある関係者向けの食堂の壁に、インディアンスのあるブロードキャスター(実況中継アナウンサー)の言葉が書かれていたからだ。

「私はただ、球を追いかけているだけで、気取った言葉は他の者に任せている。
――ジャック・グラニー
クリーブランド・インディアンスの選手・1908、1910年から1922年
クリーブランド・インディアンスのブロードキャスター・1933年から1953年」

 メジャーリーグの“名物ブロードキャスター”=実況中継のアナウンサーをネットで検索すると、おそらく最初に登場するのは今季限りでの引退を表明しているドジャースのブロードキャスター、88歳のビン・スカリー氏になるだろう。1950年にブルックリン・ドジャースのラジオ中継の一員となり、同球団が1958年にロサンゼルスに移転しても運命を共にした“名物ブロードキャスター”だ。

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