清水戦で垣間見えた「ニュー鎌田」。

　意識改革が進行したのか、清水戦では今までと違う「ニュー鎌田」の姿が垣間見えた。フリーランなど走る量が増え、守備もサボらず、追うようになった。4-2-3-1のトップ下としてプレーし、野津田のゴールをアシストし、結果を出したのだ。

「トップ下はチームでもやっているところなのでやりやすさを感じています。でも、どこでもやれる自信がありますし、複数ポジションをできるのが自分の良さでもあると思います。今日のゴールは僕が良かったというよりも岳人くんが先に動き出してフリーだったので、そこにうまく出せたという感じです。でも、2点目を取って勝ちたかった」

　アシストは野津田の動きと相手の動きが止まってるのを見て、素早くリスタートし、スルーパスを出した鎌田の抜け目ない攻撃面のいいところが出た。まだ、攻守の切り替えが遅く、守備やフィジカルは物足りないものがあるが、攻撃面での効果は絶大だ。

「18名に入るためには、チームでゴールやアシストなどしっかりと結果を残すこと。さらに言われた課題に取り組んで改善していけたらいけるかなと思います」

　感情の高揚がなく淡々と語る姿からは、逆にリオ五輪に対する秘めた情熱や決意を感じることができる。課題克服のプロセスの最中にいるが、進化できれば18名のメンバーの椅子に最も近い選手になれるはずだ。

　彼らはリオ五輪への椅子を獲得できるのだろうか。それとも、ロンドン五輪の時の宇佐美や村松のように直前の試合で結果を出し、メンバー入りを果たす選手が出てくるのだろうか。「トゥーロンで絞り込む」と手倉森監督はいったが、彼ら3人を含む、生き残りをかけたサバイバルレースは5月11日、鳥栖でのガーナ戦、そしてトゥーロン国際大会へとつづく。