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U-23代表合宿に呼ばれた23人。
リオ五輪まで生き残るのは誰だ?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/04/16 10:30
U-23代表vs.清水の練習試合で野津田岳人はDFの裏に走りこみ得点を挙げた。
野津田が新潟で受けた恩恵は大きかった。
「いつもはFKを蹴るので、自分がDFの裏に飛び出すのは少ないけど、ゴールが欲しかったので自然とあんな動きが出来たのかなと思います。今回の合宿は自分にとって勝負の場所だと思っていましたし、結果を残さないと次はないという覚悟でいました。だから、結果にこだわりました。ゴールへの飢えもあったし、ゴールに向かって積極的にプレーできたのが結果に繋がったと思います」
新潟で受けた恩恵は大きいようだ。広島は3バックだったが、新潟は代表と同じ4バックなので、守備のやり方などに慣れれば代表でも違和感なく、より自信を持ってプレーすることができる。出場機会も増えそうだ。
「今回、ひとつ結果を残せたのは自信になりましたし、少しはアピールできたかなと思います。あとはチームに戻って試合勘を取り戻し、結果を出せる選手になってアピールすることがすごく大事だと思います」
サバイバルレースの先頭に立った野津田。
リオ五輪に対する思い入れが非常に強く、言葉の端々からもそれが感じられる。新潟への移籍はまさにその表れだが実際、ロンドン五輪の時は杉本健勇が東京ヴェルディに期限付き移籍をしてメンバー入りを果たし、また北京五輪直前に千葉からガンバ大阪、京都に移籍し、メンバー入りを果たした水本裕貴の例もある。新潟への移籍に自分を賭け、清水合宿で結果を出した野津田は、サバイバルレースの先頭に立ったと言える。
今回の合宿で手倉森誠監督が一番期待していたのが鎌田だろう。非凡な攻撃センスを高く評価され、昨年8月京都合宿で初めて招集された。だが、守備力などの課題が多く、引いた相手が多いという戦術的な理由で最終予選のメンバーから落選した。3月のポルトガル遠征では個人面談で昨年指摘された守備、フィジカル、運動量などで改善した姿を「見せてみろ」と言われたという。
「ポルトガル遠征の時だけじゃなく、昨年から守備や運動量のことなどを言われていて、実際にミーティングでビデオを見せられて出来ていない、改善しないとダメだなって思ったんです。それを意識して取り組んできましたし、実際、走る量は昨年よりも増えてきました。体についても休養の取り方をトレーナーと相談しながら治療を入れてうまく時間を使ってケアしています」