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近未来の「最強馬」を決める決戦に!
皐月賞、3強の優劣はどんな順番?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2016/04/16 08:00
マカヒキはハワイ語で「収穫祭」を意味する。クラシック1冠目、まずは収穫することができるか。
2強の陰に隠れても、リオンディーズもまた天才。
競走馬に求められる「軽さ」という点では世代随一で、父に近いものを持っているのがマカヒキなのも間違いない。
川田将雅はテン乗りになるが、好位からでも後ろからでも競馬ができ、操縦性が高い馬なので、乗り替わりはさほどマイナスにはならないだろう。
2歳王者のリオンディーズ(父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)は、弥生賞でマカヒキに完敗したとはいえ、掛かり気味に先行し、直線で早めに抜け出してから物見をして後ろの目標になるなど、ギクシャクしたところがあった。それでも同タイムの2着だったのだがら、やはり強い。行きたがったのは、前走でマイルを使った影響かもしれないし、角居調教師も言っているように、好位で立ち回る競馬を経験したことはクラシック本番で必ず生きてくるだろう。トライアルを前哨戦として使い、本番で結果を出すのはミルコ・デムーロの得意とするところだ。
2頭の「化け物」の陰に隠れた感はあるが、この馬だって、新馬勝ちからわずか29日で2歳王者になった「天才」だ。エピファネイアの半弟という、これからもっと強くなる血の力も心強い。
例年なら主役になれるクラスの馬がゴロゴロ。
前出の3頭が「3強」と言われているが、武豊のエアスピネル(父キングカメハメハ、栗東・笹田和秀厩舎)も、例年なら胸を張って主役になれるだけの素質馬だ。ただ、弥生賞でマカヒキとリオンディーズにつけられた2馬身差は、現時点では決定的な差のように思われる。トリッキーな中山コースで3強が牽制し合っているところを、この馬ならではの器用さと、武の腕でどうにかできるか。いずれにしても、確実に上位争いをする1頭であることは間違いない。
母の半兄にクロフネがいる超良血のマウントロブソン(父ディープインパクト、美浦・堀宣行厩舎)、共同通信杯でハートレーやスマートオーディンらを破ったディーマジェスティ(父ディープインパクト、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)、3連勝で若葉ステークスを制したアドマイヤダイオウ(父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)、新潟2歳ステークスを驚くほどの強さで勝ったロードクエスト(父マツリダゴッホ、美浦・小島茂之厩舎)も、例年なら……と言いたくなる力の持ち主だ。