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近未来の「最強馬」を決める決戦に!
皐月賞、3強の優劣はどんな順番?

posted2016/04/16 08:00

 
近未来の「最強馬」を決める決戦に!皐月賞、3強の優劣はどんな順番?<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

マカヒキはハワイ語で「収穫祭」を意味する。クラシック1冠目、まずは収穫することができるか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

 無敗で前哨戦を圧勝した2頭の「化け物」か、調子を上げてきた2歳王者か、それとも、逆転を狙う良血の素質馬か。第76回皐月賞(4月17日、中山芝2000m、3歳GI)は、近年まれに見るハイレベルな闘いになりそうだ。

 3戦全勝でここに来た2頭のディープ産駒のうち、破壊力で上回るのはサトノダイヤモンド(父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)か。新馬、500万下、きさらぎ賞で2着につけた着差は、それぞれ0.4秒、0.6秒、0.6秒で、計1.6秒。マカヒキが3戦で0.6秒だから、突き放す強さという点では、一枚、いや、二枚も三枚も上のものを見せてきた。

 それも、目一杯の競馬をして差をひろげたわけではなく、自分のペースで無理なくフィニッシュしたら軽く突き放してしまった、というレースばかりだ。どこからでも競馬ができるし、能力のケタが違う。

 手綱をとるクリストフ・ルメールは、もともとクラシックではこの馬に乗ると発表されていたが、マカヒキで弥生賞を勝った直後は「どちらに乗るかわからない」とコメントしていた。しかし結局、こちらを選んだ格好になった。

 先週の桜花賞では大本命のメジャーエンブレムで4着に敗れ、水曜日に船橋で行われたマリーンカップでは白毛の人気馬ブチコに騎乗したが、スタート直前にゲートに突進して負傷し、競走除外となるなど、よくないことがつづいた。そんなルメールは、悪い流れのなかにいると見るべきか、これだけ悪いことがつづいたのだから、そろそろ運気が変わると見るべきなのか。そうした「流れ」や「運」なども勝敗に影響するのが競馬の面白さでもあり怖さでもある。

 JRA・GIを6勝しながらクラシック未勝利というのも気になるが、そうしたものをまとめて吹き飛ばす力を持った騎乗馬であることは間違いない。

マカヒキのスケールも普通ではない。

 もう1頭の無敗馬、マカヒキ(父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)のスケールも普通ではない。新馬、若駒ステークス、弥生賞を3戦無敗でクリアしたのは偉大な父と同じ。新馬戦の時期こそ異なるが、史上最強馬となった父と同じローテーションを歩むことは、同じ成長曲線をたどるひとつの方法でもある。

 これも父同様、着差こそわずかだったが、弥生賞の勝ちっぷりが強烈だった。強豪エアスピネルの完璧なマークを振り切った2歳王者を、ほとんど並ぶ間もなく差し切ってしまった。漁夫の利などではなく、強い者同士が高いレベルでやり合っていたところを、それ以上の力で叩きのめした。

【次ページ】 2強の陰に隠れても、リオンディーズもまた天才。

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