プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミアのCL出場権争いが超激戦!
マンUが逃せばファン待望の監督更迭?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2016/03/27 10:30
マンUとのダービーに敗れたマンCのアグエロは、試合後に苦悩のポーズを見せた。
実はCLとELの結果次第では4位がELに回ることも。
強気と言えば、ウェストハムのスラベン・ビリッチ監督。28節でトッテナムを下した直後には、「他の監督は4位狙いの否定に忙しいようだが、ウチらは狙っているよ」と語っていた。チームのパフォーマンスも指揮官の自信を裏付けるかのようだ。
続くエバートン戦(3-2)では敵地で2点差を逆転し、立ち上がりから攻勢に出た前節チェルシー戦(2-2)では、判定の不運がなければマンCを抜いて4位に浮上しているはずだった。89分に決められた相手2度目の同点ゴールは、ペナルティエリア外でのファウルに与えられたPKだったのだ。
そして今季のウェストハムは、6チームの中で最もCL出場という褒美を手にするに価するとも言える。新監督のビリッチは、持前の求心力だけではなく、堅守ベースのカウンターから3バックを含む積極策まで柔軟な戦術で、昨季の12位を4位候補に変えた。
補強も、リーグ戦23試合出場で8ゴール8アシストのディミトリ・パイエを筆頭に大成功。FKを含む個人技が光るパイエは、4位争いで勝利を引き寄せるだけのインパクトを持つ。アップトン・パークでの最終シーズンにまさかのトップ4入りを果たし、来季は移転1年目のオリンピック・スタジアムがCL戦の舞台にもなるというストーリーは、レスターのシンデレラ・ストーリーに沸いた今季のトレンドに乗ってもいる。
もっとも、予想外が当たり前の今季だけに、最後の最後にもサプライズがあり得る。マンCとリバプールが、それぞれCLとELで優勝した場合にはプレミア4位が手にする切符は「EL行き」に格下げされてしまう。UEFA(欧州連盟)の規定により、両大会の勝者にCL出場権が与えられる一方で、同一国からのCL出場枠に最大5チームの上限が設けられているためだ。果たして、異色の顔ぶれによるプレミア4位争いとCL出場最終枠の行方は如何に?