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プレミアのCL出場権争いが超激戦!
マンUが逃せばファン待望の監督更迭?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2016/03/27 10:30
マンUとのダービーに敗れたマンCのアグエロは、試合後に苦悩のポーズを見せた。
サウサンプトンとストークは本人達も予想外の健闘。
サウサンプトンは、マンチェスターの両軍とは違ってタイミング良く調子を上げてきた。後半戦での連勝は31節リバプール戦(3-2)で既に3度目。しかも2点差からの逆転勝利で、得点者は2試合連続ゴールで4カ月間の枯渇期を脱したグラツィアーノ・ペッレと、2得点で4カ月ぶりにスコアシートに名を連ねたサディオ・マネ。
チームに更なる勢いを与える勝利に、昨夏にアキレス腱を断裂しているロナルド・クーマン監督も思わずダッシュしてマネの逆転ゴール祝福の輪に加わった。トップ6が目標だったチームにとって、4位争いは嬉しい予想外。プレッシャーが少ない状況で、どこまでCL出場に迫れるかが楽しみだ。
1ポイント差の8位でサウサンプトンを追うストークにも同じことが言える。マーク・ヒューズ監督は31節ワトフォード戦(2-1)後に、「騒がれずに欧州を狙える位置につけているぐらいが丁度良い」と言っている。その「欧州」にしても、意味するところはCLではなくヨーロッパリーグ(EL)だ。
指揮官にすれば、仮にEL出場枠を逃しても十分に納得できるシーズンのはず。29節チェルシー戦(1-1)では、アウェーでも前半からシェルダン・シャキリがチャンスメイクを繰り返し、後半にはボージャン・クルキッチがベンチを出て同点への気運を生み出した。守備的なロングボール集団からの脱却が着実に進んでいるのだ。本格的にCL出場を意識するために必要な決定力の改善は、来季の課題である。
リバプールは1カ月半で14試合の超過密日程!?
一方、今季途中からリバプールを率いるユルゲン・クロップは、同節での敗戦後にも「まだ27ポイント分の試合が残されている」と4位浮上を意識している。2年ぶりのCL復帰を目指すには、実際に残り9試合全勝の覚悟が必要だ。
ところが、消化試合が2試合少ない点が不利に働く可能性がある。ELで8強入しているリバプールは、決勝まで勝ち残れば4月からの1カ月半で14試合を戦うことになる。もちろんクロップは、就任1年目のタイトル獲得のチャンスにして、来季CLへの道も開けるELでの優勝を狙うだろうが、ベンチの層が厚いとは言えないチームには酷な状況。今季EL王者になれなければ、再びCLのない来季を前にカリスマ監督のアピール度をフル活用した夏の補強を余儀なくされそうだ。