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柔道連盟が五輪選考の委員会を公表!
選考委員も立場を示し、責任を持て。
posted2016/03/27 10:40
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
変化を促すきっかけとなるのか否か。
3月16日、全日本柔道連盟の山下泰裕副会長は、リオデジャネイロ五輪代表選考を行なう強化委員会を公開すると発表した。
柔道の代表選考はいわゆる「一発選考」ではなく、複数の大会の成績、世界ランキング、国内ポイントなどを材料に議論をして決められる。
最重量級を除く12階級は、4月2、3日に行なわれる全日本選抜体重別選手権終了後の3日、女子78kg超級は4月17日の全日本女子選手権終了後、男子100kg超級は4月29日の全日本選手権後に開く強化委員会での議論で、オリンピックの代表が決まる。
実は、代表選考を公開するのは初めてではない。昨年も、世界選手権代表選考を行なう強化委員会の一部を公開している。それまでは、決定後に記者会見を開いて発表する形式だったから、大きな変化だった。
一部ではあっても公開したのは、山下氏の考えで、オープンにすることで透明化を進めようという意図だった。
それを受けての、今回のオープン化である。
福見友子ではなく谷亮子、理由は「実績」。
柔道では、代表選考を巡り過去に問題が大きくなったことがあった。その最大のものは、2007年の世界選手権代表選考のときだ。
このとき、代表選考対象の最終大会である全日本選抜体重別の48kg級で優勝したのは福見友子。しかし、代表に選ばれたのは谷亮子であった。選考理由は「実績」だった。
谷は2000年、2004年のオリンピックで金メダルを獲得していた。それは確かに実績だ。波紋を呼んだのは、谷が2005年から休養し2年間大会に出ていなかったからだ。
「どこまで実績をさかのぼるのか」
そんな声があがった。そのほかにも、「思わぬ選考だ」と波紋を呼ぶ選考は一度ならずあった。
山下氏は、今回の目的をこのように説明しているという。
「これまで説明が十分だったとは言えない。公開は選手のためになる」