湘南の神谷は、U-23との力の差を感じていた。

　湘南ベルマーレの神谷優太は、リオ五輪最終予選を、ちょっと違った視点で見ていたという。

「日の丸を背負ってあの舞台に立つのは相当なプレッシャーだと思うんです。高校サッカーでは経験しましたけど、五輪の最終予選はそれよりは上のレベルで、もっと過酷じゃないですか。なので、最終予選で戦って結果を出した選手は本当にすごいなって思いました。同時に、自分があのピッチに立った時何ができるだろうって考えながら見ていました。残念ながら今の自分は技術的にもメンタル的にもまだまだですが、そういう舞台で結果を出せる選手になりたいと改めて思いましたね」

　まだまだと謙遜する神谷だが、チーム内での競争に対しては自信を深めている。

「代表のレギュラーになるには、湘南でしっかり試合に出てやっていくことが重要だと思います。代表のサッカーは曹さんのサッカーとは違う部分もありますが、ハードワークとかは共通のものだと思うんです。湘南のサッカーを代表のサッカーに生かしつつ、自分の特徴を出していければパーフェクトですよね。元湘南の航（遠藤）さんは五輪のキャプテンになって活躍している。自分もああなりたいと思いますし、いつか航さんを越える存在になりたいと思います」

高校選手権のスター小川は「ゴールで貢献するだけ」。

　高校時代から別格の存在感を見せてジュビロ磐田に加入し、将来のエースと言われる小川航基は、U-19の結成から名前を連ね、チームの主軸になっている。小川はリオ五輪最終予選で見せたU-23のチーム力に圧倒されたという。

「すごく注目度が高く、五輪出場というプレッシャーがある中で、トーナメントを勝ち進む度にチームが強くなって、出場権を獲得した。さらに決勝の韓国戦では2点先制されたところからも追い付いて勝ったのは、本当にすごい。そういうチームに自分たちもなりたいし、チームとしての底力を見せてもらったので、今度は自分たちがそれを10月の最終予選で見せていかないといけないと思いました」

　リオ五輪予選では、絶対的なエースが不在の中でいろんな選手が点を取って勝ち進んだ。だが、小川は自らがエースになり、点を取ってチームの勝利に貢献する決意でいる。

「ゴールという結果で貢献するだけです。アジアではもちろん、国際大会でもやれる自信はあります。そのためにもまずジュビロで試合に出られるようにならないといけない。まだ細身でフィジカル的な課題があるので、相手に負けない体を作ってレギュラーになって、磐田でも代表でも本当のエースになりたいです」

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