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「なんで帰ってきたん?」に応える。
柿谷曜一朗、セレッソ復帰の覚悟。
posted2016/03/08 13:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Hiroshi Nakamura
「(スイスから)帰ってきて早く決めたかったので喜びは大きい」
3月6日のJ2C大阪対水戸の試合。スイスの強豪バーゼルから今季セレッソに復帰した柿谷曜一朗が決勝ゴールを決めた。昨季はJ1昇格プレーオフで勝ちきれず、今季こそJ1昇格を目指すチームの新キャプテンとして活躍が期待される男が、まずは「結果」を残した。Number897号では、柿谷のインタビューを掲載。復帰を決めた理由、理想とするプレー、そして今季にかける熱い思いまで存分に語っている。
かつて「大阪のクソガキ」と自らを評した。
「大阪のクソガキ」
4年ほど前の「Number803号」でのインタビュー。柿谷曜一朗は「自分にキャッチフレーズを」と差し出された色紙に即座にそう書いた。
当時の彼はレンタル移籍していたJ2の徳島からセレッソに復帰したばかりの22歳。徳島での3シーズンで結果を出し、慣れ親しんだチームで、飛躍のチャンスを窺っていた。インタビューをしたライターの城島充さんが語る。
「自分のことを『大阪のクソガキ』と表現するところにやんちゃな印象はありましたが、目の前にいた彼には、『問題児』と呼ばれるほどの棘は感じなかった。インタビュー中に何度も『サッカーができる楽しさを、以前よりも強く感じるようになった』と繰り返してたのが印象的でしたね」
そんな「クソガキ」はその後、'13年のシーズンに21得点を挙げると日本代表にも選出され、'14年ブラジルW杯のピッチにも立った。そしてその年、スイスのバーゼルへ。「もっと、このセレッソの8番が似合う選手になって帰ってきます」とのメッセージを残して、世界へ飛び出していったのだった。