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クラシック戦線に2頭目の「化け物」。
マカヒキの強さを示す2つのタイム。
posted2016/03/07 12:10
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
なかなか賑やかな週末だった。
3月3日に川崎で「ひな祭りデビュー」を果たした藤田菜七子が、5日、土曜日の中山第2レースで中央デビュー。ゴール前で猛然と追い込んで2着となり、大きな歓声を浴びた。
西でもニューフェイスの「女の子」が輝いた。桜花賞に直結するトライアルとして知られるチューリップ賞をシンハライト(父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)が制し、無傷の3連勝。メジャーエンブレムの一強ムードで無風と思われていた桜戦線に、新たな風を吹き込んだ。
そして6日、日曜日の中山第10レース、上総ステークス(1600万下、ダート1800m)は、ビジュアルで注目を集める白毛の4歳牝馬ブチコ(父キングカメハメハ、栗東・音無秀孝厩舎)が圧勝。今後は各地の交流重賞で活躍しそうだ。
菜七子、シンハライト、ブチコ……と、女たちの活躍が目立ったなか、男たちもハイレベルな戦いを繰り広げた。
レース前から「3頭立てにしてもいい」と言われ……。
シンボリルドルフ、スペシャルウィーク、ディープインパクトといった歴代の名馬が制し、皐月賞トライアルというポジションを超越したスーパーGIIの弥生賞(3月6日、中山芝2000m、3歳GII、1~3着に皐月賞優先出走権)。ここに、昨年2歳王者となったリオンディーズ(父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)、朝日杯フューチュリティステークスでリオンディーズの2着となったエアスピネル(父キングカメハメハ、栗東・笹田和秀厩舎)、新馬、若駒ステークスを連勝中のマカヒキ(父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)が出走してきた。
レース前、「3頭立てにしてもいいくらいだ」という声が聞こえていたが、そのとおりの結果になった。
勝ったのはクリストフ・ルメールが騎乗したマカヒキ、首差の2着がミルコ・デムーロのリオンディーズ、2馬身差の3着が武豊のエアスピネルで、その後ろは5馬身ちぎれた。
マカヒキは、縦長になった馬群の後方で折り合い、勝負どころで一気に加速して他の二強を抜き去った。
上がり3ハロンは、メンバー最速の33秒6。2番目に速かったリオンディーズとエアスピネルの34秒4よりコンマ8秒も速かった。