松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
“自分の番”ではなかった11位終了。
松山英樹「なるべくしてなった」の真意。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2016/02/23 10:40
パットが入らず、呆然とした表情を見せた松山英樹。「自分の番」ではない日はゴルフにはつきものなのだ。
候補者の中にいられれば「番」はいつかやってくる。
太陽が傾き始めたリビエラのサンデーアフタヌーン。ふと、マキロイの前日の言葉が頭に浮かんできた。
「我慢していれば、どこかで自分の番がやってくる。それがバック9なら、ありがたい」
最終日に自分の番が訪れたのは、優勝したワトソンだけだった。彼は彼なりに自らの発言が招いた2週間前の騒動の余波に苦しみながら、我慢して我慢して、苦しみを乗り越え、「ワトソンの番」を待った。
最終日に75を喫したマキロイに「彼の番」は訪れず、20位に終わった。
「松山の番」も、この日はついぞ訪れなかったが、切り替えの早い松山なら、自分の番を自力で到来させそうに思えてくる。
「来週は誕生日だね」
コースを去ろうとしていた松山に、そう声をかけたら、もう彼らしい笑顔。24歳で迎える来週以降も、松山は「松山の番」の到来を信じ、戦い続ける。
その先には、必ずや、彼の番がやってくる。