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プラティニは罠にはまったのか……。
欧州に渦巻く陰謀とFIFA不正疑惑。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2016/02/19 10:30
2月15日、プラティニはチューリヒのFIFA本部で聴聞会に出席。「間もなく仕事を再開できるだろう」と好感触を示したが……。
正直さは政治家としての脇の甘さでもある。
しかし彼の正直さ、ナイーブさは、同時に政治家としての脇の甘さでもある。スキャンダルへの思慮深さの欠如と言ってもいい。政治的駆け引きや深謀術策は、UEFAでは必要はないが、政治の伏魔殿であるFIFAでリーダーシップを発揮するには絶対的に必要な資質である。
「すべてはブラッターから始まった。彼が私のクビを求めたんだ。私がFIFAのトップになることを望まなかった。彼はよく私が彼の最後の獲物だと言っていた。同時に失墜したけど、私の息の根を止めるものを常に探し求めていた」
では、プラティニとブラッターの間には、具体的にどんな確執があったのか。次回は「ブラッターの挫折と野望」について語る。