プレミアリーグの時間BACK NUMBER
レスターは好感度最高の優勝候補?
他クラブのファンまで「異議なし」。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2016/02/11 11:00
困ったような顔がチャーミングなラニエリ。しかし、やはり彼はただの好々爺ではなかった!
残り試合は、レスターにとって理想的な日程?
実際には、チェルシー以外にも14日の次節アーセナル戦と4月末のマンU戦という強豪とのアウェイゲームも残されているが、メディアによればレスターの残り試合は「夢の実現に理想的な日程」だという。
未体験のプレッシャーに屈することがなければ、他の10試合は「優勝候補筆頭」のポイント獲得が見込めるカードとみなされているのだ。トップ6を狙うサウサンプトン、ウェストハム、エバートンとの対戦も含まれるが、これらの3試合はいずれもキングパワー・スタジアムが舞台。開幕からリーグ随一の盛り上がりを見せるホームの観衆が「12人目」となってチームに力を貸してくれるというわけだ。
マンC戦では「残留だ!」という冗談も。
そして、いよいよ彼らレスター・ファンも公に優勝を口にし始めた。これまでは、最後にがっかりしたくない気持ちや験を担ぐ意味もあったのだろう。地元サポーターの優勝ムードは控えめだった。
アウェイに駆けつけるコアな連中でさえ、マンC戦の序盤では冗談まじりに「残留だ!」と歌っていた。だが、終盤には「優勝するぞ!」という合唱に変わっていたように、彼らにも優勝候補最右翼の自覚が芽生えている。
試合後、ラジオの『トーク・スポーツ』局に電話を寄せた1人のファンは、「もう優勝説を否定する理由が見当たらない」と言っていた。聴取者参加コーナーのホストを務めるスタン・コリモアに、「じゃあ、今季のプレミア王者はレスターだな?」と念を押されると、「う~ん……イエス!」。レスター・ファンの素直な反応であると共に、サッカー好きな国民を代表するような返答だった。
イングランドに吹くレスター旋風は止まないどころか、その勢いを増している。