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ミラン監督「本田は優れた一兵卒」。
“潰し屋”としてチームの中心に復活。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2016/01/25 17:00

ミラン監督「本田は優れた一兵卒」。“潰し屋”としてチームの中心に復活。<Number Web> photograph by AFLO

冬の移籍も噂されていた本田だが、守備という新たな能力を開花させ、再びスタメンに定着しつつある。

フィオ戦のボール奪取は8回、競り合い勝率は75%!

 年始6日のボローニャ戦を皮切りに12日間でミランは4試合を戦い、そのうち65分で交代したボローニャ戦をのぞく3試合に本田はフル出場した。

 中盤から後ろの右サイドが、今や本田の主戦場だ。

 味方からパスを受けた後、相手のファウルを誘い、体を張ってボールをキープする。自陣ペナルティエリアの位置まで下がって、敵のサイドアタッカーを潰す。

 相手チームが攻撃的に試合を進めようとした場合、サイドで待ち構える本田は相当に厄介で嫌らしい存在だろう。

 守備的プレーヤーとしての本田の貢献ぶりが顕著だったのは、2-0で快勝した17日のフィオレンティーナ戦だ。

 ミハイロビッチ監督は、前線に名うての技巧派を揃えるフィオレンティーナを相手にあえてボールポゼッションを譲り、代わりに4-4-2の縦幅を極端なまでにコンパクトにまとめる戦法をとった。

 2得点を奪ったのはFWバッカとMFボアテングで、本田もゴールには絡めなかったが、ボール支配率が7割近かったフィオレンティーナの枠内シュートを1本のみに封じた戦術的完勝に、背番号10が果たした役割は大きかった。

 タッチラインを背にした本田は、MFボルハバレロとFWイリチッチによる相手の2列目へのボールをことごとくカットし、対面する188cmのMFマルコス・アロンソにも怯むことなく体をぶつけていった。ボール奪取回数は8回に及び、フィジカルコンタクトによる競り合いの勝率は75%にも達した。

本田の献身に、メディアの見る目も変わってきた。

 本田の徹底した守備への献身ぶりに、指揮官だけでなくメディアの見る目も変わる。

伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、「チームがボールを持っていない時間帯に重要な戦術的要素を担った」、「チームの中心に帰ってきた」と本田を再評価し、イタリアSKYの重鎮解説者ベルゴミも「今の本田はサイドからミランの攻守に変化をつけている。それも一度や二度の話ではない」と連戦中の貢献ぶりを称賛した。

 本田が潰し役、もしくは潰され役に徹することで、今のミランは勝機を手繰り寄せているともいえるのだ。

【次ページ】 ずっと“王様”でいられる選手はいない。

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