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福西崇史が語る五輪予選突破の“肝”。
パワー一辺倒ではない相手国に注意。 

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福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/01/22 10:30

福西崇史が語る五輪予選突破の“肝”。パワー一辺倒ではない相手国に注意。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

U-23チームの調子は右肩上がり。やはり、日の丸を背負っての真剣勝負は選手達を急速に成長させるのだ。

カタールはU-20W杯組が主力か。

 イランに勝利すれば、五輪まであと1勝となります。その出場権を争うことになるライバルはA組1位のカタール、C組を突破した韓国とイラクなのでは、と見ています。

 イランに勝利するなど、3戦全勝で1位突破を決めたカタールですが、国を挙げた育成が実りつつあるようです。今大会で指揮を執っているのはスペイン人のフェリックス・サンチェス監督。これまでのカタールはカウンターが武器でしたが、今大会を見ていると落ち着いてポゼッションもできています。これはバルサの育成組織で指導経験のあるサンチェス監督によって、もたらされた成長かもしれません。

 カタールは、'15年のU-20W杯に出場したメンバーが主軸となっています。なおかつ彼らは開催国で大声援を受けられるため、勢いに乗せるような展開にはしたくない。個人として気をつけたいのは、8番のアリー・アサダッラーと10番のアクラム・アフィフ、DFながら3試合連続ゴールを挙げた3番のアブデルカリム・ハッサンです。イラン戦に途中出場した194cmの長身FWムンタリにも要注意です。

イラクは攻撃に人数をかけるスタイル。

 続いて、イラクと韓国です。C組はU-20W杯に出場したウズベキスタンも入る厳しいグループでしたが、両チームとも1試合を残して決勝トーナメント進出を決めました。直接対決となった第3戦は日本と同じく大幅にメンバーを入れ替えて、主力を温存。ベンチに控えていた選手が出場機会を与えられるなど、この2カ国も決勝トーナメントを見すえています。

 まずは日本が準決勝で対決する可能性があるイラク。イラクは前線だけでなく、中盤の選手も果敢にゴールを狙うアグレッシブなスタイルです。グループリーグでの6得点がすべて違う選手で、抑えどころが絞りづらい。それだけに守備でのマークの受け渡しなどが重要になります。またイラクはA代表に招集されている選手も多く、この年齢にしては経験値が高い。試合運びの上手さがあり、駆け引きで負けたくないところです。

 韓国はグループリーグ3試合で8得点2失点。得失点差+6は日本と同じく最多タイの数字で、攻守ともに安定感があります。7番のムン・チャンジンは小柄なアタッカーですが、ウズベキスタン戦で2得点を挙げるなど攻撃の中心です。またイエメン戦でハットトリックした22番のクォン・チャンフンも決定力があります。

【次ページ】 パワープレーに限らないテクニカルな難敵。

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