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フィギュアシーズン前半戦の総括!
後半テーマは「誰が羽生に迫るか?」。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/01/11 10:40

フィギュアシーズン前半戦の総括!後半テーマは「誰が羽生に迫るか?」。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本での自らの出来に不満だった羽生は、「これでもっとハードに練習できる」と語ったという。

急成長の宇野昌磨に海外メディアも注目。

 もう1人、大きな注目を浴びているのは18歳の宇野昌磨である。

 彼がシニアデビューGPシリーズで見せた素晴らしい演技には、世界中の関係者が唸った。

 SP『Legends』、フリー『トゥーランドット』ともに、コーチの樋口美穂子氏による振付で、宇野はとてもシニア初年とは思えない情緒溢れる演技を見せた。初進出して3位と健闘したGPファイナルでは、特にフリーのダイナミックな表現力が世界中のプレス関係者の間で話題になった。

 全日本選手権では、2位に入って見事に世界選手権代表枠を勝ち取った宇野。一試合ごとに成長していく伸び盛りの彼が、2月の四大陸選手権、そして3月のボストン世界選手権への出場で、新たな挑戦を続けていくことになる。

非常に高いレベルで切磋琢磨する日本男子。

 怪我から回復して調子を戻してきた無良崇人、今シーズン初のGPファイナル進出を果たした村上大介、そして初挑戦のNHK杯で質の高い演技を見せた田中刑事、初の世界ジュニアタイトルを狙う山本草太と、男子は全体のレベルの高さがますます底上げされてきた。

 「いつも1番でいたい」と豪語しながらトップを独走する羽生と、彼を目標にして自己を磨いていくほかの選手たちの相互作用が、これからも日本男子を高めていくに違いない。全日本で5位に終わった小塚崇彦は、是非怪我をしっかり治して来シーズン戻ってきて欲しい。彼ほどの才能がしっかり昇華されずに現役を終えてしまうのは、スケート界の損失である。

羽生を追う、海外勢の巻き返しはあるか?

 また今月は全米選手権、カナダ選手権、欧州選手権がそれぞれ開催される。

 ほとんど羽生の一人勝ちという印象だったシーズン前半から、海外勢がどのように巻き返してくるのかにも注目したい。

 パトリック・チャン、デニス・テンといったトップ選手たち、また怪我でNHK杯を棄権したジェイソン・ブラウンの復帰の状況も気になるところだ。

 次に日本勢が出場するのは2月の四大陸選手権で、宇野、無良、田中が出場。世界選手権は羽生と宇野が挑む。

【次ページ】 パフォーマーらしくなった宮原知子。

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