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カナダ選手権で「レベルアップを!」。
前“絶対王者”P・チャンの新たな挑戦。

posted2016/01/19 10:45

 
カナダ選手権で「レベルアップを!」。前“絶対王者”P・チャンの新たな挑戦。<Number Web> photograph by ISU/ISU via Getty Images

世界選手権3連覇、GPファイナル2連覇(3連覇目は惜しくも3位)、カナダ選手権7連覇、歴代最高得点の前保持者という輝かしい記録を持つチャン。

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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ISU/ISU via Getty Images

 ノバスコシアのハリファックスで開催されるカナダ選手権を控えて、パトリック・チャンが電話共同記者会見を行った。

 1年のブランクを経て今季GPシリーズから復帰したチャンは、スケートカナダで優勝したが、7回目の進出を果たしたGPファイナルでは4位に終わっている。

 カナダ選手権では2008年から7年連続優勝しており、今回は8度目のタイトルを目指すことになる。

フリーで2度目の3アクセルを。

「ホリデイの間にゆっくりと体を休めることができて、今はとても心が落ち着いている状態です。ファイナルが終わってから、コーチと話し合ってフリープログラムの内容をレベルアップさせました」チャンは、そう語り始めた。

 その具体的な内容は、フリーの後半に2度目の3アクセルを入れたことだという。

「苦手意識のあった3アクセルも技術が安定してきて、コンビネーションで入れることができると思う。これでフリーには4回転2本と3アクセルが2本入ることになります」2本目の3アクセルは、プログラムの後半に組み込む予定だという。

羽生が与えた大きすぎる衝撃。

 チャンのレベルアップは、もちろん必要に迫られてのことだった。

 競技から休んでいた昨シーズン、テレビ観戦をしていたチャンは「男子では特に何も新しいことは起きていない」と感じたと語っていた。

 だが今季のNHK杯で羽生結弦がいきなり見せたSP2回、フリーで3回の4回転ジャンプは、男子シングル全体の現状を変えてしまった。

 GPファイナルで羽生が完璧な演技を繰り返し、再び世界最高スコアを出したとき、あのレベルの演技が偶然ではないことを証明してみせたのだ。

 ただでさえ心身を再び競技モードに戻そうと四苦八苦していたチャンにとって、それは大きな衝撃だったのに違いない。

【次ページ】 フリーに4回転を3度がノーマルの時代。

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