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日本人選手はアジアの強豪へ移籍せよ。
バルサやバイエルンと戦うもう1つの道。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAFLO
posted2015/12/25 16:05
CWC準決勝でスアレスとマッチアップする金英権。韓国代表としてもユース世代から活躍し続けている25歳。
アジアのトップクラブに日本人選手は行くべき!
特に三つめについては、「もっとアジアのトップクラブに、結果と高い報酬を得て進むべきでないか」という議論が起こっていくべきだ。
ちなみにここで紹介した李正秀と金英権は、いずれもJリーグを経て中東、中国に新天地を求めたプレーヤーたちだ。
李は自国の水原三星から'09年に京都サンガに入団、'10年は半年間鹿島アントラーズでプレーした後、現在までアル・サッドでプレーを続ける。
金は自国のプロクラブを経ずに'10年にFC東京に入団。'11年に大宮アルディージャに移籍。'12年の途中まで同クラブでプレーした後、現在まで広州恒大でプレーする。
皆、母国を離れ、日本からも離れ、他のアジアのクラブに移籍する決断をして世界の舞台で欧州最高峰と戦う機会を得ているのだ。
広島が健闘したのは、強い相手にひるまず戦ったから!?
とはいえ、今回のクラブワールドカップは小さな希望を感じる大会でもあった。
近年、アジアチャンピオンズリーグでJリーグ勢が苦しみ続ける広州恒大に対し、広島が2-1の逆転勝利を挙げたのだ。20日の3位決定戦でのことだった。
金英権は広島についてこう口にした。
「自分たちに問題があったのも確かだけれど、広島は戦術的によくやったと思う。ボールポゼッションで相手に主導権を握られた点は明らかにこちらのミスだった。広州は早い段階でゴールを決め、早い時間帯にはボールキープを続けていたが、それが続かなかった。これが残念な点だった」
強い相手にもひるまず、ボールポゼッションを挑むこと。これが広州攻略=欧州最高峰への挑戦権獲得の方法のひとつになり得るかもしれない――。
もっとも、どのチームも来季は選手構成が変わるので、参考程度の話だが。
1年の最後に観たクラブワールドカップは、“アジア目線”で観ると、あれこれと考えさせられる大会でもあった。