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武豊のJRA全GI制覇は実現するか?
馬よりも騎手に注目の朝日杯FS。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/12/19 08:00
エアメサイアにとっては4頭目となる産駒のエアスピネル。初重賞に続き初GIを母にプレゼントするか。
今は珍しい栃木産のボールライトニング。
エアスピネルのほかに、2戦2勝でここに臨む馬がもう1頭いる。新馬戦、京王杯2歳ステークスと1400m戦を連勝してきたボールライトニング(牡、父ダイワメジャー、栗東・宮本博厩舎)だ。父譲りの粘っこい末脚は、距離が1ハロン延びても問題ないだろう。この馬は、今は珍しい栃木産。'13年に生まれた同期6828頭のうち、栃木で生まれた14頭のなかの1頭だ。1984年のグレード制導入以降、栃木県の生産馬はGIを勝っていないが、この馬の故郷の那須野牧場は、'73年にオークスを制したナスノチグサなどを送り出した名門だ。かつて盛んに馬産が行われていた栃木のホースマンの執念が実るか。こちらも注目だ。
日米のオークスを制したシーザリオを母に持つリオンディーズ(牡、父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)、前走でエアスピネルに敗れたが、スピード豊かなシュウジ(牡、父キンシャサノキセキ、栗東・橋口弘次郎厩舎)、ボールライトニング同様、父に似たレースで連勝中のショウナンライズ(牡、父ダイワメジャー、美浦・上原博之厩舎)も争覇圏にいる。
ということで、結論。
◎エアスピネル
○イモータル
▲ボールライトニング
△リオンディーズ
×シュウジ
注ショウナンライズ
エアスピネルはシュウジにいかせて好位に?
エアスピネルが11番枠、シュウジが隣の12番枠を引いた。面白いことに、前走のデイリー杯2歳ステークスでもエアが13番、シュウジが14番と隣同士だった。エアとしては、外のシュウジを行かせ、内の馬たちの動きを見ながら好位にポジションを定める――という、前走と同じような競馬をすると思われる。
ところで、先週の阪神ジュベナイルフィリーズは、ここで◎をつけたメジャーエンブレムが勝ち、×のウインファビラスが2着、△のブランボヌールが3着に来た。馬連3500円が◎からの5点流し、3連単3万9480円が◎の軸1頭5点流し(20点)で獲れたのだが、誰ひとり「おめでとう」とも「ありがとう」とも言ってくれない。みな、私の印などちゃんと見ていないのだろうか。
ともあれ、今週は、前人未到の大記録の目撃者となるべく阪神競馬場に行き、応援馬券を握りしめて見守りたい。