錦織はショットメーカーとしてテニス史に残る一人。

――1年前にエキシビションマッチで対戦した錦織選手の可能性をどう見ていますか。彼の長所はどこだと思いますか。

「彼はショットメーカーとして、テニス史の中でも最高の選手の一人です。彼の成長にはマイケル（・チャン）が大きな貢献をしていると思います。グランドスラムのタイトルを取るチャンスがある選手で、来年がその最大のチャンスとなるでしょう。'14年の彼は、トップの舞台に初めて立ち、まだその立場になじんでいなかったように思います。'15年の彼は、その存在を確固たるものにしました。ですから、来年は一番チャンスのある年になると見ています」

――もし彼をコーチするなら、どこを変えたいですか。

「彼はアグレッシブで、素晴らしい動きを持っています。あえて課題を挙げるなら、もっと辛抱強くプレーすることが大切になると思います。また、サーブ、特にセカンドサーブを改善できれば試合運びが楽になるでしょう。それ以外は、ベースラインでのプレーもいいし、前に入って攻めることもできる素晴らしいプレーヤーだと思います」

「錦織はアグレッシブで、僕と似たタイプ」

――錦織は'14年の全米で、ベースラインから中に入っての攻めが功を奏し、ジョコビッチを破りました。

「錦織はアグレッシブで、僕と似たタイプです。それに加え、彼には速さがあります。彼はサイズ的にも私と似たようなもので……、サーブは私の方が良いかもしれませんね（笑）。彼の強みは動きの速さで、それが彼にチャンスをもたらすのです」

――リターンの強さも2人に共通する点ですね。

「そう思います。リターンは私にとって大きなチャンスでしたし、錦織もそうでしょう。ただ、私はリターンするとすぐ後ろに下がって元の位置に戻り、そこからまた組み立てを始めなければならなかったのですが、彼はより早く攻撃に着手できることが大きな違いです。彼も一度、ニュートラルな状態に戻すことがありますが、それは攻撃を始める上での彼の判断です。私の動きは必要に迫られてのものでしたが、彼の場合は自身の決断に基づくものなのです」

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