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チャンピオンズカップは2強+1頭。
3歳馬ノンコノユメは“渋いマーク屋”。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/12/05 08:00

チャンピオンズカップは2強+1頭。3歳馬ノンコノユメは“渋いマーク屋”。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

クリストフ・ルメールとのコンビで4戦4勝のノンコノユメ。ノンコ、とは母馬の名前だ。

馬名は可愛いが渋いマーク屋、ノンコノユメ。

 ――だったら「三強」ではなく「二強」じゃないか。

 そう言われそうだが、リッキーとタルマエの間に割って入るか、まとめて負かしそうな勢いを感じさせるのが、ノンコノユメ(牡3歳、父トワイニング、美浦・加藤征弘厩舎)だ。

 この馬は、9戦6勝2着1回3着1回という立派な成績なのだが、6勝もしているのに、1番人気になったことが一度もない。

 現在4連勝中。ということで、ここ3走の1番人気はどんな馬だったのか。6月のユニコーンステークスは、UAEダービーで日本馬最先着の3着となったゴールデンバローズ。7月のジャパンダートダービーは、兵庫チャンピオンシップで2着のリアファルに9馬身差をつけて圧勝したクロスクリーガー。そして11月の武蔵野ステークスは、デビューから無傷の4連勝で臨んできたモーニン。

 3頭とも1倍台の圧倒的な支持を得ていた。そうした大本命を負かしつづける「渋いマーク屋」。馬名は牝馬のように可愛らしいが、それがノンコノユメの正体だ。

 特に、別定の58㎏を背負いながら古馬を下した前走の武蔵野ステークスの内容がよかった。休み明けであの強さだから、上積みが見込める今回はさらに期待できる。

 前のほうで牽制し合うリッキーとタルマエの古豪2騎が早めに動き、ワンツーで決まりか、というところにノンコがズドンと差してくる――というシーンは充分あり得る。

 中京は直線が長いわりに、追い込みが決まりにくい。おそらく、そこを不安材料とされ、古豪2騎とは差のある3番人気になるだろうから、馬券的な妙味もある。経済コースを通れる1番枠も好材料だ。

香港全勝の外国馬に、「速さ」が武器の一頭も。

 唯一の外国馬ガンピット(セン5歳、父ドバウィ、香港・C.ファウンズ厩舎)は、香港のオールウェザーで7戦7勝だから、弱いわけがない。

 武が、「速い馬」として警戒しているコーリンベリー(牝4歳、父サウスヴィグラス、美浦・小野次郎厩舎)は、距離を克服できるかどうかがカギだが、ノーマークで気分よく走ったら一発あるかもしれない。

【次ページ】 大きくは荒れづらいダートだからこそ、新星に期待。

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