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現在のセリエAで最も強いチーム!
サッリとイグアインが導くナポリ。
posted2015/11/05 10:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
セリエAの首位争いが、混戦を極めている。
インテルが開幕5連勝を遂げた後、7節でフィオレンティーナが'99年2月以来の首位に立った。続いてローマが9節に1位を奪取したかと思えば、先週末の11節を終えた時点で、勝ち点24のインテルとフィオレンティーナが再び順位表のトップに並び立つ、という混戦ぶりだ。
それぞれ異なったスタイルを持つ彼らが、毎週のようにポイントリーダーの座を争う展開は、リーグに活況をもたらしている。しかし、実は現地の識者や指導者たちが“最も強い”と見なすチームは、前述の3強の中にはいない。
今、イタリア最強と目されているチームとは、首位を僅差の勝ち点差2で追う4位のナポリだ。
「ナポリが最強チーム? 冗談を言ってもらっては困る。うちは昨年より弱くなっているはずだし、監督もへっぽこだしな」
今季から指揮を執る新指揮官サッリの言葉は、もちろん彼一流のユーモアだ。勝ち点や得失点数は、ベニテス(現R・マドリー)が率いていた昨シーズンの同時期に比べて、いずれも向上している。
敵将も認めた今季のナポリの強さ。
ナポリは、前年王者ユベントスを2-1で下した6節を皮切りに、敵地サンシーロではミランを4発撃沈。立て続けに、首位にいたフィオレンティーナを2-1で撃破しながら、5連勝で首位戦線へ乗り込んできた。
8節で敗れたフィオレンティーナの指揮官パウロ・ソウザは「ナポリとのゲームはこの上なくハイレベルなものだった」と潔く敗戦を認め、続く9節でローマにも惜敗した際、「ローマよりナポリの方が強い」と率直な感想をこぼしている。
ナポリ最強説の要因の一つである強力FW陣は、11節終了時点でリーグ3番目にあたる21得点を挙げた。
リーグ最多得点こそ4ゴール差でローマに譲るものの、8得点で得点王レースを引っ張るエースFWイグアインの完全復調は頼もしい限りだ。